令和8年3月14、15日開催へ 全国椿サミット大船渡大会の日程固まる リアスHで活動発表、碁石中心に視察も

▲ サミット2日目の現地視察などで多くの来訪が予想される世界の椿館・碁石(1月28日)

 全国椿サミット大船渡大会第2回実行委員会(会長・渕上清大船渡市長、13人)は22日に大船渡市役所で開かれ、開催日程を令和8年3月14日(土)、15日(日)とする概要案を承認した。初日は市民文化会館リアスホールでの事例・活動発表、2日目は碁石での視察などを計画し、参加目標は1000人。市内では平成12年以来26年ぶりで、東日本大震災とコロナ禍による2度の中止を経ての開催となる。市民レベルの機運醸成や、県内外から訪れる人々の「おもてなし」充実を目指す。(佐藤 壮)


 全国椿サミットは、ツバキを自治体花木に指定している市町村等で組織する全国椿サミット協議会と、日本ツバキ協会との共催で、年1回開催。ツバキの魅力を再確認し、ツバキを生かした地域振興につなげようと、開催地の自治体・各種団体が中心となり準備・運営を進める。
 実行委員会は市や県、各種団体の代表で構成し、この日は事務局職員を含め10人余が出席。渕上市長は「2度にわたる中止と悔しい思いをしてきたこともあり、実行委の中に組織された事業実施部会がより充実した内容に向けて検討している。参加者との交流を通じ、市内の魅力とともに、これまでの復興支援に対する感謝を発信していきたい」と述べた。
 引き続き、大船渡大会の事業内容や、今後の進め方を協議し、原案通り承認した。日程は3月14日と15日の2日間。参加目標は1000人で、このうちサミットへの参加申し込み者は200人としている。
 初日は全国椿サミット協議会の理事会・総会や、日本ツバキ協会の通常総会を開催。椿サミットの催事イメージとして▽オープニング、郷土芸能披露▽開会行事(感謝状贈呈等)▽事例・活動発表(大船渡東高校による研究等)▽ステージ・パフォーマンス(合唱等)▽記念講演(ツバキの関連や市出身者、関係する著名人等)──を挙げる。県内外から集まった関係者が懇親を深める交流会も予定している。
 2日目は現地視察を計画。碁石地区を中心にツバキ関連の施設を巡るコースに加え、東日本大震災から復興した中心市街地にも足を運ぶルートも設けるほか、昼食会場や「おもてなし企画」の充実も目指す。旅行・宿泊関連業務を委託する業者を決めて「オプショナルツアー」も設けることにしている。
 これまでの検討状況や他市の事例を参考にしながら、サミット会場には、各種展示や物販スペースを配置する。大会参加者向けに「大船渡らしい記念品」を選定し、広くPRしたい考え。
 大会に向け、市民を対象に大会テーマとなるキャッチフレーズを公募。今後開催される末崎町の世界の椿館・碁石を舞台とした「つばきまつり」や三陸・大船渡夏まつり、産業まつりでのPRにも力を入れる。来年度開催する実行委員会で最終決定する。
 写真・書道・絵画コンテストの実施や会場に展示する芸術作品の募集など、市民レベルでの機運醸成、盛り上がりにつながる取り組みも検討。各種団体による関連活動への支援も見据える。
 同市では、椿サミットを平成12年に初開催。盛町のJAおおふなと会館を会場とし、「椿と人とまちづくり」をテーマとした全国交流フェスティバルには全国各団体の代表者や市民ら約800人が出席。地元の芸術・芸能団体がステージを飾り、大船渡農業高校(現・大船渡東高校)造園専門分会の生徒代表が校内研究の成果を披露するなど、成功を収めた。
 三陸町との合併10年目に当たる平成23年3月に、2度目となる大船渡大会を計画。しかし、直前に震災が発生し、中止を余儀なくされた。復旧・復興事業を経て、震災発生から10年が過ぎた令和4年にも計画されたが、新型コロナウイルスの影響で断念した。次期日程は、来年2月22日(土)に長崎県五島市で開催される同協議会総会で正式に決まる。