木下さん(東高1年)が東北大会へ 開校以来初の県大会最優秀賞 家庭クラブ研究発表会 家族の健康と家計テーマに

▲ 県家庭クラブの研究発表大会で最優秀賞に輝き、来月の東北大会に出場する木下さん(中央)

 大船渡市にある県立大船渡東高校(宇夫方聰校長、生徒211人)の木下美玖さん(食物文化科1年)は、先月下旬に開かれた県高等学校家庭クラブ連盟研究発表大会・ホームプロジェクトの部で最優秀賞に選ばれ、12月12日(木)に福島県内で開かれる東北大会に出場する。同校家庭クラブからの県大会最高賞、東北大会出場は、平成20年の開校以来初の快挙。家族の健康と家計をテーマに、家庭科の専門的な学びや好きな菓子作りを生かして課題解決に取り組んだ成果をまとめた。東北大会に向け、木下さんは「全国大会を目指して頑張りたい」と意気込んでいる。(三浦佳恵)

 

 研究発表大会は、高校で家庭科を学ぶ生徒(クラブ員)が地域や家庭への貢献を目的とした家庭科研究活動を発表する場。このうち、ホームプロジェクトの部は家庭の問題点を家庭科の学びで解決しようとする研究が対象。東高では、同科1年生が夏休みの課題として取り組み、校内発表を経て学校代表を選んでいる。
 木下さんの研究は「手作りお菓子でファミリーマネジメント~家族の健康と安定した家計を目指して~」。木下さんは家庭の課題を調べ、食料費に占める菓子代の割合が一般家庭に比べて多いことに着目。健康面では〝糖尿病予備軍〟をはじめ、何らかの健康不安を抱えている家族がいることが分かった。
 そこで、支出を抑え、生活習慣病予防や改善にも役立つ手作り菓子を検討。専門家らの助言も受け、家にある食材を使って「バナナスコーン」や「高野豆腐のラスク」など低コストで低カロリーな菓子を作り、家計、健康それぞれの管理で改善が図られたとした。そのうえで、自身が率先して〝ファミリーマネジメント〟に取り組む決意を示した。
 木下さんは「家族全員にレシートを持ってきてもらうなど、1カ月の食費などを調べるのが大変だった。家族の協力がなければできなかった」と振り返る。地道なデータ収集や試行錯誤を重ねた菓子作りの成果も実り、充実した発表内容に仕上げた。
 発表には、パソコン操作などを担うアシスタントの岩﨑七海さん(同)と登壇。持ち時間15分を超えると減点対象となるため、岩﨑さんは木下さんが話す速さなどに配慮しながら進行を支えてきた。
 木下さんの発表は、9月の沿岸地区予選、10月25日に久慈市内で開かれた県大会でいずれも最優秀賞を獲得。来月の東北大会は福島県いわき市で開かれ、東北各県の代表らが出場を予定する。
 木下さんは、岩﨑さんと発表の練習に取り組むほか、新たに大船渡市の健康づくり事業に参加。自身の研究を地域にも広げ、より充実した内容で臨む。
 指導に当たる釜石知佳講師は、課題の時点で完成度が高い内容だったと評価し、「表現力が強みで、感情を乗せて説明をするのがうまい。東北大会でも発揮してほしい」と期待を寄せる。
 岩﨑さんは「木下さんが最優秀賞に選ばれてうれしかった。東北大会ではサポート役として、木下さんのペースに合わせられるよう頑張りたい」と話す。
 木下さんは「最優秀賞はうれしかった。ここまで来られたのは、先生方や家族、友達のたくさんの協力があってこそ。東北大会では、全国出場を目指して頑張りたい」と誓っている。