詐欺被害の防止に貢献 陸前高田と大船渡 コンビニ2店に感謝状 大船渡署

▲ 大船渡お魚センター店では泉田店長㊧が感謝状を受け取った
▲ 贈呈式に出席した陸前高田馬場前店の高橋さん㊥と菅野オーナー㊨

 大船渡警察署(高橋紀彦署長)は27日、特殊詐欺被害を未然に防いだとして、陸前高田市のセブン―イレブン陸前高田馬場前店(菅野公一オーナー)と大船渡市大船渡町の同大船渡お魚センター店(本田靖秋オーナー)に感謝状を贈った。両店を訪問した高橋署長と早野洋平生活安全課長が、市民の財産を守った功績と防犯への貢献をたたえた。
 陸前高田馬場前店の贈呈式には、菅野オーナーと、現場に立ち会い詐欺被害防止に努めた従業員の高橋健太さんが出席。高橋署長は高橋さんに感謝状を手渡し、「なかなかできることではない。適切な対応に感謝する」と述べた。
 同店によると、16日午後2時ごろに50代の女性が来店し、「5万円分の電子ギフト券を購入したい」と店員を呼んだ。金額が高額だったことや、電子ギフト券に関する知識に乏しい様子だったために、特殊詐欺を疑った。
 高橋さんが、同署から配布されていた詐欺防止のためのチェックシートに沿って質問を繰り返したところ、「ワンクリック詐欺」である可能性が高いと判断し、女性に対して注意喚起した。「最寄りの交番で相談を」「1人で行きづらいようであれば、こちらから連絡もする」と声をかけ、被害防止につなげた。
 高橋さんは「これからも怪しいと思ったら積極的に声をかけたいと思う」と、菅野オーナーは「分からないことや不安なことがあれば声をかけて頼ってもらいたい」とそれぞれ話し、今後の詐欺防止に向けた意識の徹底を誓った。
 また、大船渡お魚センター店では泉田恵理店長が、18日に高齢男性の詐欺被害防止に貢献したとして、感謝状を受け取った。
 同日、泉田店長は店長を兼務する同町の大船渡野々田店にいたところ、高齢の男性が3万円分の電子ギフト券を購入しようと来店した。
 詐欺を疑い詳しく尋ねようとするも、男性は退店。その後、泉田店長が大船渡お魚センター店へ向かったところ、同じ男性が来店し再びギフト券を購入しようとしたため、店員と協力して改めて引き止めた。男性の携帯電話には、高額の金を請求する連絡が届いていたという。
 泉田店長は「男性は詐欺を疑いつつも、警察への相談を面倒に思っている様子だったが、警察が配布したチェックシートを生かし購入を止めることができた」と安堵の表情を浮かべていた。
 今年に入り、県内で認知されたSNS型投資・ロマンス詐欺は、10月末現在で42件、被害額は3億1821万円にのぼる。同署によると、被害相談が寄せられているものの、被害届の提出に至らないケースも相当数ある