生徒交流会で気持ち一つ 大船渡、末崎両中の1、2年生 来春の統合見据え初開催(別写真あり)

▲ レクリエーションなどで交流を深める大船渡、末崎両中の生徒ら

 本年度で閉校し、来年度に新設統合する大船渡市の大船渡中学校(和賀真樹校長、生徒125人)と末崎中学校(佐々木伸一校長、生徒71人)の生徒交流会は28日、大船渡中校舎で開かれた。両校の1、2年生計126人が参加し、自校の特色の紹介や統合に関する期待と不安を共有。レクリエーションなどで体を動かし距離を縮めた生徒らは、来春から同じ学びやで生活をともにする仲間との交流を楽しみながら、「新生・大船渡中」の新たな学校づくりに向けて気持ちを一つにした。
 来年4月に統合して「大船渡中」となる両校。PTAや学校関係者、地域住民らの間では、大船渡・末崎地区学校統合推進協議会が定期的に開かれ、統合に向けた準備が着々と進む。
 生徒交流会は、両校の歴史や伝統、これから同じ学校で生活する友を知るとともに、統合への期待感や不安感を共有しながら、親睦を深めようと初開催。新設校の校舎となる大船渡中に末崎中の生徒らが訪問する形で、来年2月まで計4回計画されている。
 会場となった体育館では、大船渡中生らが末崎中生を温かい拍手で出迎えた。
 和賀校長は「今は非日常的な感覚があるかもしれないが、春からはこれが毎日の風景になる。一緒になって良かったと思える日々が続くための記念すべき日。優しい気持ちで交流を楽しんでほしい」とあいさつ。
 佐々木校長も「新生・大船渡中となるこの時に、この場所で交流会ができること、生徒の皆さんとの巡り合いに感謝している。市花のツバキの花言葉は『誇り』。新しい学校への誇りを持って、力を合わせて伝統を築いていこう」と呼びかけた。
 両校の生徒会執行部は自校の学校活動や行事、特色ある取り組みをそれぞれ紹介。大船渡中は長期休業に実施している地区活動としての清掃奉仕、文化祭で発表している郷土芸能活動を挙げ、末崎中は地元の自然環境を生かして取り組むワカメ養殖や、学年間の仲を深める縦割り活動などの様子を伝えた。
 このあと、学校統合への期待と不安について、事前に行った生徒アンケートの結果を報告。新しい学校生活が楽しみな理由として▽新しい友達ができる▽授業や部活動、先生▽絆が深まる、思い出をつくる──などが上位に入った。逆に不安な理由は▽仲良くやっていけるか▽今の友達と離れてしまうかもしれない▽人数が増えて考えがまとまるか──といった結果が示された。
 そのうえで、まとめとして「2校が一緒になるにあたって、楽しみだけではなく、不安もあって当然。新しい学校をつくるのは、私たち1、2年生。交流を深めてドキドキをワクワクに変えていこう」と、同じ方向を向いて歩みを進めていく意識を高めた。
 締めくくりに行われたレクリエーションでは、「じゃんけん列車」で生徒らが交流。じゃんけんで勝った人の後ろに負けた人がつくルールで、学校の垣根を越えて和気あいあいとした雰囲気が広がり、笑顔があふれた。
 末崎中生はその後、大船渡中生徒会の案内で校舎を見学。末崎中生徒会長の松岡孜馬さん(2年)は「校舎内は迷路を探検するような気分だった」と笑顔を見せながら、「交流会は堅苦しい感じではなく、とても楽しかった。末崎中の人数は少ないが、大船渡中のみんなと協力してこれから頑張りたい」と話した。
 大船渡中生徒会長の佐藤一希さん(2年)は「楽しく交流でき、回数を重ねればもっと仲を深められると思った。新しい学校の土台をつくるうえでの不安もあるが、自由に取り組めることをプラスに捉え、一緒に楽しんでやっていきたい」と見据えた。
 交流会は今後、12月に授業交流を行い、来年1月は新校歌の練習、2月は生徒会提案などを予定している。