採用面接の交通費助成 東京圏の大学4年生対象に 内定・移住で最大1万5200円
令和6年12月5日付 1面
大船渡市は本年度、東京圏内にキャンパスがある大学(一部除く)を卒業した学生の市内移住を伴う県内就職支援策として、内定先の採用面接に要した往復交通費の一部を助成する。本年度卒業予定の4年生による今年6月1日以降の採用活動を対象とし、申請期間は来年2月末まで。1回限り最大で1万5200円を助成する。
この支援制度は、採用活動に要した交通費を補助するもの。入社する企業の採用活動に要した費用が対象となる。
市によると、主に列車やバスによる移動を想定し、自家用車での往復は対象外となる。東京から新幹線、JR大船渡線、同BRTを利用して市内で採用面接を受ける場合、往復2万8000円程度が見込まれる。また、東京・池袋が発着地となる夜行高速バス「けせんライナー」の利用時も、往復2万円程度を要する。
大学の卒業年度に、東京都内に本部がある大学で、東京圏内(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、条件不利地域を除く)のキャンパスに在学(原則4年以上)し、卒業する見込みであることが条件。さらに、卒業年度に東京圏内に継続して在住していれば該当する。
そのうえで、勤務地が岩手県内に所在する企業への就職が内定し、市内の移住意思があれば助成対象となる。就職先は官公庁や、3親等以内の親族が代表者、取締役などの経営を担う職務を務めている企業は除く。
申請には▽申請書(市ホームページでダウンロード可能)▽在学証明書▽移住元要件を確認できる書類▽内定先企業による証明書▽交通費の領収書等──などが必要となる。領収書に関しては、ネットによる申し込みの利用経歴などで認める場合もあるという。
市は本年度、約20人分の予算を確保。申請を受け、早ければ2週間程度で順次支給できるという。原則として、居住や就業を行わなかった場合や、転入日から3年未満に市から転出した場合は全額返還を求める。
この助成は、県と市町村が共同して実施している「いわて暮らし応援事業・マッチング支援事業」の一環で実施。往復交通費に関する新たなメニューが盛り込まれたことから、市でも支援制度を設けた。
鈴木宏延商工課長は「学卒者はUターンを考えるきっかけになるといった効果を期待している。企業側も、人材確保に向けてPRなどで活用してもらえれば」と話す。
問い合わせは市商工課(℡27・3111内線111)へ。