7期は過去最多16人修了 ビジネスアカデミー閉講 成果発表会も開催(別写真あり)

▲ 学んだ知識の活用へ意欲を見せる修了生たち

グループに分かれての成果発表も

 大船渡市の大船渡商工会議所(米谷春夫会頭)による、市内の中小企業経営者や後継者らを対象とした第7期「大船渡ビジネスアカデミー」の成果発表会・閉講式は6日、同商議所で開かれた。今期は過去最多となる16人が修了。実践演習で経営改善・新事業展開の提案を発表したほか、5カ月間の学びを生かした飛躍を誓い合った。
 ビジネスアカデミーは、常に変化する市場環境に適応するとともに、将来の地域経済を担う経営人材を育成しようと開設。コロナ禍で見合わせた年もあったが、第6期までに60人以上が修了した。
 第7期も市が協力し、県や市内に支店を構える金融機関などが後援。本年度も中長期的な経営計画の立案を検討する中小企業の経営者や後継者のほか、経営幹部、経営幹部候補者も対象に加えた。
 7月から全9回の日程で、経営戦略や管理会計、マーケティング、組織活性化などを学び、1期あたりでは最多となる16人が修了を迎えた。
 最終日の成果発表会には、受講生のほか商議所や後援団体、行政の各関係者も出席。修了生は4グループに分かれ、受講で得た知識やヒントなどを生かし、旧家を改装した古民家風の店舗で筆記具を扱う架空の老舗小規模店の事業計画を提案した。
 いずれも現状の強み、弱みを見つめ直したうえで、今後の経営改善策をまとめた。外国人観光客やコミュニティーづくり、地域とのつながり、経費削減、新事業参入などに触れながら「すぐに取り組むべき事項」「中長期的に取り組みを検討する事項」に分け、具体策も発信した。
 講評では、米谷会頭が「『老舗ほど革新を続けなければ生き残れない』という言葉もある。商品別の損益などを分析すると、明確に見えてくるものがあるのではないか。虫の目での数値分析も重要となる」とアドバイス。
 渕上清市長も「素晴らしい発表だった。さまざまなところに相談することも大事。大船渡市は起業された方が多く、業界のトップ企業がある。きょうの縁を大事にしながら、発展してほしい」、講師を務めた中小企業診断士の髙橋雅裕氏は「学んだことは、必ず自社で生かされる。きょうがスタートの日」とエールを送った。
 閉講式では、米谷会頭が修了生に修了証書を授与。代表し、社会福祉法人三陸福祉会総務課副施設長の金野晃さん(57)が「柔軟な思考が大切であることを学んだ。地域経済の中核を担い、発展に寄与できるようになれれば」と述べた。
 閉講式後には、証書を手にして記念撮影も。同期修了生としての交流継続を誓い合った。