一丸で取り組み最優秀賞に ㈱アースデザインコンサルタンツ(赤崎町) いわて働き方アワード 長時間労働の削減や健康経営など
令和6年12月19日付 7面

県による「いわて働き方改革アワード2024」の受賞企業が決まり、大船渡市赤崎町の㈱アースデザインコンサルタンツ(菊池透代表取締役)が最優秀賞を受賞した。社と社員が一丸となって長時間労働の削減や社員のキャリア形成などの働き方改革に取り組み、成果を挙げている点が高く評価されたもの。11日には盛岡市内で表彰式が行われ、同社ではより働きやすい職場を目指した取り組みの継続を誓っている。(三浦佳恵)
同アワードは、県内企業における働き方改革の取り組みを促進し、魅力ある雇用・労働環境づくりを推進しようと毎年実施。「いわて働き方改革推進運動」に参加する1013社(今年10月末時点)を対象に、▽長時間労働の削減▽労働生産性の向上と処遇改善▽職場環境改善──などの働き方改革の実践例を募ったところ、71社から応募があった。
この中から、最優秀賞1社と優秀賞3社を決定。気仙からは唯一、アースデザインコンサルタンツが受賞し、同アワードでは旧・㈱菊池技研コンサルタント当時の令和元年に個別プロジェクト賞(長時間労働削減部門)に選ばれて以来の入賞となった。
授賞式には、同社の菊池代表取締役(64)が出席し、達増拓也知事から記念の盾を受け取った。また、総務課の滑川淳一課長(49)が事例発表を行った。
同社は、測量、設計、地質調査、補償調査などを担う総合建設コンサルタント会社。東日本大震災後の復旧・復興事業で業務が多忙になる中で、「いきいき働ける職場づくりを」と平成30年2月に同運動に参加した。
外部機関の指導も受けながら、同年度には働き方改革実践モデル企業としての取り組みを本格化。残業時間、人材の確保と定着、社員のスキルやモチベーションの向上といった問題点を洗い出し、改善策を検討し実践した。
このうち、長時間労働の課題には、残業時間などの見える化や休日勤務ルールの明確化を図り、有給休暇の取得を促進。デジタル技術を取り入れた業務の省力化、健康経営なども進め、有給休暇取得率は取り組み当初の57・4%から令和5年には81・9%まで上昇し、時間外労働も月10時間程度に削減できた。
また、人材の確保と定着に向けては、働き方改革を進める前から「若手の会」を設立しており、4年からはメンター制度を導入して先輩社員が新入社員を支援する体制を整えた。研修受講によるスキルアップ、資格取得にかかる報奨金制度なども行っている。
こうした多岐にわたる取り組みが、最優秀賞につながった。菊池代表取締役は「部署ごとに振り返りをして自分たちの問題を洗い出し、どのようにして解決していくか取り組み、継続してきた。会社と社員が一丸とならなければ、この賞は得られなかった」と話し、社員一人一人の実践と継続に感謝。「今後も引き続き、改善を図りながらもっと働きやすい職場にしていきたい」と、意欲を新たにしている。