多彩な食で10回目も活気 アワビ料理提供も好評 市魚市場を会場におおふなと産直海鮮まつり(別写真あり)
令和6年12月24日付 7面

大船渡市大船渡町の市魚市場内特設会場で22日、第10回「おおふなと産直海鮮まつり」(同実行委員会主催)が開かれた。地元業者が取り扱う海産物などがずらりと並び、開幕直後から多くの人々が来場。今年は大船渡東高校生によるアワビを生かした料理の〝振る舞い〟でも活気を呼び込み、幅広い角度から地元産の魅力を伝えた。(佐藤 壮)
実行委員会(及川廣章委員長)は、大船渡魚市場買受人組合の構成業者などで組織。東日本大震災時に寄せられた支援への感謝と水産業再興への願いを込め、平成26年に初めて開催。翌年からは師走恒例のイベントとして定着し、コロナ禍での休止を挟みながらも節目の10回目を迎えた。
魚市場施設を会場とし、イクラや新巻きザケ、カキ、ホタテ、タコ、アワビなどの水産加工品に加え、食肉加工品や軽食など30業者が参加。冬本番の寒さが広がる中、午前8時の開幕前から続々と市民らが訪れた。
詰め合わせのセットや〝激安〟の冷凍水産品など、多彩な品ぞろえを前に、訪れた人々はじっくりと品定め。出店者との会話も楽しんでいた。
及川委員長(68)は「昨年よりも多い人出ではないか。ここに立ち寄って大船渡駅周辺地区の商業施設に向かう流れもできていると思う。今年も魚の水揚げはあまり良くなかったが、どの出店者もお客さんに少しでも喜んでもらえるよう努めた」と話していた。

「としるの貝がら焼き」の振る舞いも
今年は、大船渡商工会議所による「蝦夷あわびを活用した地域活性化事業」の一環で、大船渡東高校食物文化科3年の「食のChallengeコース」に所属する生徒が、伝統料理の「としるの貝がら焼き」と自ら考案した「としる醤油の焼きおにぎり」を提供。来場者から「おいしい」「こんな風に食べるのは知らなかった」などと、好評の声が相次いだ。
炭火焼きで貝がら焼きなどの調理にあたった菅野蓮さんは「出来栄えは完璧。おいしく、調理しやすいので、この料理が全国に広がってほしい」と語り、充実した表情を見せた。
また、「あわびのまち大船渡」ブースでは「アワビによる美白効果の検討」などの研究に取り組んできた帝塚山学院大学(大阪府)の学生たちも並び、活アワビの販売などを担当。人間科学部の時田寧々さん(4年)は「自分の声が届き、足を止めて買ってもらうとうれしい。アワビは5個で3500円で販売したが『安い』という声があり、改めて高級食材であることを実感した」と笑顔を見せた。