2024気仙この一年/記者の取材ノートより② 選挙

▲ 衆参同日選となった本県。開票作業は深夜までおよんだ=大船渡市

大船渡市議選は無投票
激動の国政 〝ダブル選〟に

 

市制施行後初異例事態で幕

 

 任期満了に伴う大船渡市議会議員選挙(定数20)は、4月14日に告示された。立候補は現職16人と新人4人の計20人で定数を上回らず、昭和27年の市制施行以来、初の無投票に終わった。
 同市議選は、昭和27年の市制施行以降19回目。平成13年の旧三陸町との合併後は6回目、同23年の東日本大震災後は4回目の実施となった。
 当選者を政党別に見ると、無所属16人(現12、新4)、共産党2人(現2)、公明党1人(現1)、国民民主党1人(現1)。同党公認の当選は初となった。
 在住地域は、旧大船渡市内が16人、旧三陸町内が4人。性別は前回と変わらず、男性19人、女性1人。年代別は30代1人、40代1人、50代3人、60代9人、70代6人で、平成生まれの議員が初めて誕生した。
 5月の臨時議会では、第23代議長に光政会の伊藤力也氏(63)=無所属5期、三陸町綾里、副議長は新政同友会の今野善信氏(72)=同4期、猪川町=が選ばれ、監査委員には改革大船渡の船野章氏(73)=同6期、日頃市町=が就いた。
 新任期に入り、特別委員会「市民と歩む議会機能向上特別委員会」が設置された。予算と連動した政策サイクルや議員定数、広報・広聴の検討を進める。
 市議選は、4年前も21人の出馬にとどまった。議員定数の検討では人口減少に見合った妥当な数字を探るのはもちろんだが、今後のあるべき議員像を丁寧に考えなければならない時期を迎えている。


衆院2区は鈴木氏11選

 

 10月27日に投開票が行われた第50回衆議院議員総選挙。石破茂首相が就任直後に解散を表明したことで短期決戦となり、自民党派閥の政治資金規正法違反事件を受けての政治改革、物価高に対する経済対策などが争点となった。
 小選挙区(289議席)と、全国11ブロックごとの政党得票率で選出する比例代表(176議席)で計465議席が争われた。自民党が公示前の247議席から191議席に、連立を組む公明党が32議席から24議席に減らし、与党は過半数割れの大敗を喫した。
 立憲民主党は50議席増の148議席を獲得。国民民主党は4倍増の28議席に伸ばした。県内3選挙区は立民が2議席、自民1議席となった。
 比例代表東北ブロック(定数12)では、自民が5議席、立民が4議席、国民民主党、公明党、れいわ新撰組が各1議席を獲得。小選挙区の投票率は全国で53・85%と、令和3年の前回選から2・08ポイント低下し、戦後3番目の低さとなった。
 本県では、気仙を含む岩手2区に自民党の鈴木俊一氏(71)と立憲民主党の中村起子氏(59)が立候補。鈴木氏は、閣僚としての実績と知名度の高さを背景に、支持基盤を固めて計11万5774票を獲得し、中村氏に4万5058票差を付けて通算11選を飾った。
 参議院岩手選挙区の補欠選挙も衆院選と同日投開票で行われた。秘書給与を国からだまし取ったとされる詐欺罪で在宅起訴された広瀬めぐみ前参院議員(自民党離党)の辞職に伴うもので、立憲民主党元職の木戸口英司氏(61)が33万4914票を得て、新人4人を退けて当選した。