漁況の復活と再生信じ 市魚市場 「手締め式」で大漁祈願(別写真あり)
令和7年1月5日付 1面
大船渡市大船渡町の市魚市場は4日、新年の営業を開始した。この日は、定置網のマイワシを中心にまとまった水揚げとなり、場内が初競りで活気づく中、年頭恒例の「初売り手締め式」も開かれ、集まった関係者らが新しい気持ちで地元の海と向き合っていく気概を示した。
先月28日以来1週間ぶりの開場となった魚市場では、午前7時ごろから定置網船が続々と接岸。すっきりとした青空から差し込む朝日に照らされながら、岸壁で水揚げ作業を行い、久しぶりの慌ただしさに包まれた。先月からまとまった漁獲が続くマイワシ(サバ込み)は170㌧に達した。
場内では、縁起物の赤いタオルを首に巻いた買い受け人らが、品定めのかたわらで新年のあいさつを交わしながら仕事にあたった。
午前7時30分からの手締め式には、魚市場を運営する大船渡魚市場㈱(千葉隆美社長)の職員、仲買業者、開設者である市、県などの関係者ら合わせて約70人が参加。
渕上清市長は、昨年における市魚市場の水揚げ状況や水産業を取り巻く環境変化に触れるとともに、関係者らの労苦に感謝を伝えながら「水産業を基幹産業とする市としては、水揚げが地域経済情勢に直結することから、資源確保や経営安定、担い手確保、貝毒対策など、直面する課題について各種施策を推進している。今後も、一層の水産業振興と水揚げ増強に向け、関係者の声を聞きながら全力で取り組む」とあいさつした。
千葉社長は「昨年の前浜は、潮の流れの影響で安定した漁況とはいえなかったが、もう年は明けた。今年の干支・へびは、復活と再生を意味する。漁況の復活、再生を信じて、今年も一生懸命挑戦していこう」と鼓舞。魚市場の本年度実績は、数量、金額ともに昨年度を上回るなど、漁況回復に向けた好材料も見えている中、最後に全員で三本締めを行い、一年の豊漁や商売繁盛、安全な業務遂行を祈願した。