命のために考え 実践を 東日本大震災津波伝承館 企画展示がスタート
令和7年1月7日付 7面

陸前高田市の東日本大震災津波伝承館による企画展示「自分の命はじぶんで守る─防災の『自分ごと化』─」は6日、同館ゾーン4(道の駅側・地域情報スペース)でスタートした。防災を「自分ごと化」し、災害時に命を守るための行動を考え、予定表などを作成する実践にも言及した内容となっており、多くの来場を呼びかけている。2月16日(日)まで。
令和6年度3回目の展示は、災害時に「自分の命は自分で守る」ための知識と行動を考えてもらおうと企画。東北大学災害科学国際研究所の柴山明寛准教授が監修し、制作は県立大学(責任者・鈴木あゆみ社会福祉学部講師)が担当した。
展示では、身近に迫る災害から命を守る防災のキーワードを「自分ごと化」に設定し、災害の種類、危険が迫っているのに「逃げられない」という人の心の動きを解説。「最終的に避難することを決めるのは自分自身。いつ逃げればいいのか『自分ごと』として考えてみよう」と呼びかけている。
そのうえで、風水害や津波発生時の警戒レベルと避難行動、避難先、命を守るための備えを紹介。備えの一つとして、自身の連絡先や持病などの配慮事項、避難ルートといった状況の整理、避難行動予定表の作成を提案している。
会場で配布する同展のリーフレットには、実際に自身の状況や風水害(大雨・洪水)・土砂災害時の避難行動予定が書き込める表を掲載。展示から知識を得たあと、家族や周囲と話し合い、作成まで実践できるようにした。
会場内では予定表などの記入例、高齢者避難に備える取り組みの事例、災害備蓄品と非常用持ち出し袋に関する話題も提供。防災を「自分ごと」として改めて考え、行動するきっかけになりそうだ。
同館の早坂寛副館長は「大事なのは、家族や周囲と話し合うこと。〝てんでんこ〟という言葉があるように、事前に避難場所などを決めておき、約束があると安心して逃げられる。展示内容を参考に、家庭や職場、学校などで対応を話し合い、それぞれの〝てんでんこ〟につなげてほしい」と話している。
展示時間は午前9時~午後5時。入館は無料。問い合わせは同館(℡47・4455)へ。