国道45号の渋滞対策も追加 第2回津波避難対策検討会議 自動車から徒歩「切り替え」話題に
令和7年1月10日付 1面
大船渡市による第2回津波避難対策検討会議は9日、市役所で開かれた。津波災害時の「犠牲者ゼロ」に向け、原則徒歩避難を前提としつつ、住民や事業従事者、観光客向けの対策のあり方を協議。自動車避難に関しては、昨年開催した地区別ワークショップなどを踏まえて「国道45号の渋滞対策」も検討項目に加え、自動車を一時的に駐車するなどして徒歩に切り替える行動がスムーズにできる体制づくりも話題に上った。(佐藤 壮)
委員は学識経験者や市内各種団体の関係者、市各部長ら17人で構成。昨年7月以来の開催で、オンラインを含め全員が出席した。
委員長を務める県立大学防災復興支援センターの杉安和也副センター長は「冬場の避難は大雪など不測の事態も考えられる。さまざまな状況を想定しながら、いかに安全な方法で避難できるかを考えたい」とあいさつ。その後の協議は、報道陣には非公開で行われた。
終了後の杉安委員長らの説明によると、協議は▽自動車避難のあり方▽事業従事者の避難対策▽観光客等の地理不案内者の避難対策▽実行に向けた取り組みスケジュール──について、それぞれ検討した。
自動車避難に関しては「徒歩避難を原則」とし、自動車による避難対象者は避難行動要支援者や、津波到達時間までに津波浸水想定区域から徒歩で脱出できない人、避難支援者に限定する案が示された。
可能地域に関しては▽幹線道路(国道、県道)と平面交差(横断)せずに、津波浸水想定区域外に避難できる道路が確保されている地域。ただし、幹線道路の交通量が少なく容易に横断できる地域は除く。▽徒歩避難者の避難を妨げない幅員以上の道路がある地域▽地域内で避難車両の駐車場スペースが確保できる──を条件として挙げる。
これらの内容は、前回会議でも示されていたが、今回は国道45号の渋滞対策検討を追加。市によると、昨年秋に開催された地区別ワークショップで出された意見などを踏まえて取りまとめた。
津波警報発表時に、大船渡町や盛町の一部区間が通行止めになることを改めて周知する一方、車両誘導や交通規制、避難誘導などを効果的に行うため、関係機関で協議・検討を行う。
さらに、津波警報発表時に浸水想定区域内を通過後、車両から徒歩に切り替える避難者を適切に避難させるため、避難誘導看板や緊急駐車場所看板などの設置を検討する。
事業従事者の対策に関しては、浸水想定区域内の事業者が来店客や従業員の安全を確保するための計画作成を促す方針。地理不案内者に対しては確実な情報伝達や津波避難誘導標識の適正配置などを進める。
観光客に関しては、委員から「地形的な特性でもあるが、例えば外国人が大船渡駅に降りて風景を見渡しても、海がどの方向にあるか把握が難しい。遠方からの日本人にも当てはまる」といった意見が出たという。
杉安委員長は「国道45号の渋滞対策に関しては、自動車から徒歩避難に切り替える仕掛けが大事という視点があったかと思う。交通規制をかけるのはもちろんだが、移動中だった場合に、車を乗り捨てるための場所確保、駐車できる場を示すための施策なども話題となった」と振り返る。
そのうえで「避難誘導は、公的機関や自主防災組織などの力がなければできないほか、全てに対応できるわけではない。期待されている内容と、実際に何ができるかの整理が引き続き重要。徒歩で避難することを念頭に置いたうえで、要支援者といった自動車で避難せざるを得ない人が一定数いる議論も大事になる」と話す。
検討会議は、3月にも開催。自動車避難や事業従事者、観光客の各安全確保策など、7年度以降に行う具体協議・取り組みに向けた方向性を確認することにしている。






