大人への心構え誓う 赤崎町・佐野契約会伝統の元服式 地元の中学3年生が「入会」(別写真あり)
令和7年1月14日付 7面

大船渡市赤崎町の佐野契約会(大畑美喜男会長)による第175回元服式は13日、同町の沢田地域公民館で行われた。出席した中学3年生7人は、地域への感謝を忘れず挑戦を重ねる決意を新たにした。
本年度は、佐野、沢田、赤崎中井の上三区地域に暮らし、大船渡一中や東朋中に通う3年生計9人が対象。7人が出席し、同会関係者ら約40人が見守った。
大畑会長は生活の心得を示す「嘉永四年の定(さだめ)」を朗読。「信心はまことのあらわれ」「親孝行は我が子孫のため」「喧嘩口論は後悔の元手」など30条からなり、生徒たちは大人の心構えを胸に刻んだ。
新入会者を代表し、佐野悠希さん(東朋)と佐々木結菜さん(大船渡一)が、同会綱領の順守を誓う「宣誓」を読み上げた。引き続き、全員が宣誓書に押印したほか、ぶどう液での「契りの杯」も交わし、正式に入会が認められた。
大畑会長は「この元服式が、大人になる準備をしていくきっかけになれば。受験という壁を乗り越えて、大きく成長してほしい」とあいさつ。大船渡一中の村上貴彦校長と、太平洋セメント大船渡工場の中島卓哉工場長が祝辞を述べ、出席者全員で会歌を斉唱した。
式に出席した熊谷煌羅さん(大船渡一)は「元服式のことは知らなかったが、案内を受けて、参加したことがある祖父や父から教えてもらった。尊敬される大人になりたい」と話していた。
同契約会は嘉永4(1851)年、地域の結束や引き締めなどを目的に発足し、同会への加入儀式である元服式を受け継いできた。新型コロナウイルスの影響で延期や規模縮小などの対応をとった年もあったが、昨年から通常開催に戻っている。