プレミアム商品券発行へ 物価高騰対策の一環 市が方針固める  3月下旬からの販売目指す

▲ 令和5年度と同様に市内各地区での販売会実施を想定(5年7月)

 陸前高田市は、物価高騰対策としてプレミアム商品券を発行する方針を固めた。発行は新型コロナウイルス禍に見舞われた令和2年度以降5年連続。プレミアム率は50%に設定し、1セット7500円分を5000円で販売する計画。発行見込み数は5万2000セットを想定しており、3月下旬からの販売を目指す。お得な商品券の発行事業を通じ、物価高騰に苦しむ市民の家計や事業経営への支援につなげる。(高橋 信)

 

 事業は、国からの物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用して展開する。市が実施主体の陸前高田商工会に補助金を交付し、発行・販売する流れを想定している。
 商品券は5年度と同様に、1セット500円券15枚のうち、6枚(3000円分)を中小規模店専用とする。残りの9枚(4500円分)は、スーパーマーケットやドラッグストアなどの大型店でも利用できる。
 使用期間は、3月下旬から9月までを計画。発行後、市内各地区での出張販売会を行う方向で検討している。
 事業費は約1億4600万円を見込む。このうち、国からの臨時交付金は約7300万円で、残りは市の財政調整基金を取り崩して充当する見通し。
 市は、今月下旬を予定している市議会臨時会に関連費を盛り込む本年度一般会計補正予算案を提出することとしている。
 市は、コロナ禍で減退する市民の購買意欲を高めようと、令和2年度から毎年、プレミアム率50%の商品券発行にかかる補助金を商工会に交付している。
 商工会によると、過去の実績は3年度が換金額1億2717万円、販売総数に占める換金額の割合(換金率)99・7%、4年度が同1億3425万円、同99・5%だった。
 4年度まではコロナ禍の影響を受ける中小規模の市内事業者への支援を主目的としていたため、大型店を取扱店の対象外としてきた。5年度は物価高騰の影響を踏まえ、市民の家計負担軽減につなげようと、大型店でも使えるようにした。
 同年度の販売数は500円券60万1365枚(4万91セット)。使用期間は5年7月~昨年1月で、換金総額は2億9959万円。換金率は99・6%で、前年度と横ばいだった。
 市商政課の佐々木伸也課長補佐は「物価高騰の影響は市民全員が受けている。プレミアム商品券をより多くの人に活用してもらうことで、市民の暮らしを守っていきたい」と話す。
 問い合わせは、同課商工係(℡54・2111内線422)へ。