3月11日は「追悼献花」 祈りのモニュメント前で 従来の式典形式から変更
令和7年1月17日付 1面

大船渡市の東日本大震災市犠牲者追悼献花は、3月11日(火)午後2時46分から大船渡町のみなと公園展望広場・祈りのモニュメント前で行われる。昨年までの式典形式から変わり、今年は来賓を招かず、座席も配置しない。リアスホールで開催していた一昨年以前も含め会場構成は「縮小」となるが、市民らが自由に思いをささげる場とする。
市は平成23年度以降、震災による犠牲者の追悼に加え、震災の記憶の風化を防止し、次代に継承することを目的に犠牲者追悼式を開催。令和5年3月まではリアスホールを会場としてきた。
昨年は、みなと公園展望広場で、市が整備した祈りのモニュメント除幕式に合わせた追悼式が開かれた。市関係者や遺族ら計100人が出席。市長による式辞や黙とうなどに続き、参列者が白菊を手向けた。
今年も午後2時46分に黙とうを行い、市長による「追悼のことば」、代表献花と続き、昨年とほぼ同じ流れで行われる。来賓は招かず、参列者向けの座席は設けない。
モニュメント前には献花台を設け、一般献花は午後3時~5時を予定。花は持参とする。小雨決行。気象警報の発表時は中止とする。一方、同2時46分にはサイレンを吹鳴し、市内各地での黙とうを呼びかける。
震災犠牲者の氏名を掲示した芳名板は、3月5日(水)~23日(日)に、公園内の祈りのモニュメントに続くスロープ路沿いに設置。遺族から同意・希望があった411人の氏名が並ぶ。
祈りのモニュメントはガラス素材。縦2㍍、横1・7㍍で、湾内に向かって祈る構造となる。中央には「未来へ祈る」との言葉が記され、支える10本の柱は、大船渡市の盛、大船渡、末崎、赤崎、猪川、立根、日頃市の各町に加え、三陸町の綾里、越喜来、吉浜の「10のまち」を意味する。
市は令和8年以降も、今年と同じ形式で行う方針。発災当日の午後2時46分に遺族がそれぞれの場所で祈りをささげたい思いをくみ取りながら、震災の風化を防ぎ、将来の教訓に生かす意思をより多くの人々が共感する流れを目指すことにしている。