「A」「B」評価87・1% まち・ひと・しごと総合戦略達成状況 市が5年度時点の実績示す

▲ 5年度の実績が示された総合戦略策定会議

 第2期陸前高田市まち・ひと・しごと総合戦略策定会議(委員11人)は17日、市役所で開かれ、市は同戦略の進ちょく状況を示した。計画4年目に当たる令和5年度時点における事業ごとの達成状況(計70項目)について、「A(計画どおり進ちょくしている)」、または「B(一定の進ちょくが見られる)」の割合は、87・1%だった。(高橋 信)

 

 オンラインを含めて委員8人が出席。佐々木拓市長があいさつを述べたあと、市事務局が総合戦略の進ちょく状況を説明した。
 達成状況は、目標達成度の高い順にA~Dの4段階で評価。基本目標1「陸前高田への新たな人の流れを創造し、『しみん』が集うまちをつくる」は20項目、同2「若者や女性が活躍できるしごとの創出につなげ、これを支える人材を育て生かす」と、同3「結婚・出産の希望をかなえ、子育てを協働で支える環境と、誰もが活躍できる地域社会をつくる」は21項目ずつ、同4「市民の安心につながる暮らしやすいまちをつくり、地域と地域を連携する」は8項目の計70項目の達成状況をそれぞれ記載している。
 進ちょく状況によると、5年度時点では「A」が42項目(60・0%)、「B」は19項目(27・1%)、「C(一部に進ちょくの遅れ)」は5項目(7・2%)、「D(未着手)」は4項目(5・7%)。
 未着手は▽求人情報発信応援事業▽SDGs起業家育成プログラム▽インターンシップ実施支援事業▽子育て応援企業支援事業──。
 このうち、SDGs起業家育成プログラムは、中止した同プログラムに代わる起業者支援策を検討したが、具体の施策実施には至らなかった。市は本年度、継続して代替の支援策を検討している。
 委員は、道の駅高田松原の来場者数やふるさと納税寄付額、移住者数などの実績を尋ねた。「市内では廃業数が多く、起業が廃業に追いついていない。起業者だけではなく、現在経営している中小企業へのフォローにも注力していく必要がある」「SDGsのリーディングシティーであることをもっと発信していくことが大事」などという声が上がった。
 このほか交流人口拡大に関連し、委員からは本年度同市で開催された三陸花火大会や奇跡の一本松マラソンを取り上げ、「ボランティアの受け入れを強化してほしい」との注文が聞かれた。
 これに対し、村上知幸地域振興部次長は「一本松マラソンは大成功を収めることができたが、ボランティアが少なかったという課題もあった。マラソンや花火大会ではボランティアの力が非常に重要。市民らに協力していただくための方策を考えていきたい」と答えた。
 総合戦略は少子高齢化などの地域課題に対応するため、5カ年の目標や施策の基本的方向、具体的な施策を取りまとめたもの。
 第2期の計画期間は、令和2~6年度。市は同日の会議で、石破茂首相が掲げる「地方創生2.0」の動向などを踏まえ、現戦略の計画期間を最大1年延長する方針を示した。