気仙の星 夢の舞台に 朗希 ドジャースへ マイナー契約合意 自身のSNSで発表
令和7年1月19日付 1面

プロ野球・千葉ロッテマリーンズからポスティングシステムを使って米大リーグ移籍を目指していた佐々木朗希投手(23)=陸前高田市出身、大船渡高出=は18日、自身のSNSで、ドジャースとのマイナー契約に合意したと発表した。

佐々木朗希投手
佐々木投手は、昨年1月の記者会見で、大リーグ挑戦の意向を表明。千葉ロッテは、昨シーズン終了後の11月9日に、佐々木投手のポスティングシステムを利用した移籍を容認し、12月10日には手続きが正式に受理されたことを発表した。
今月24日までの交渉期間の中で、米各球団は佐々木投手獲得に向けた争奪戦を展開。その行く末は国内外から注目を浴びていた。
18日午前、佐々木投手は自身のインスタグラムを更新。ドジャースの帽子の写真とともに、「とても難しい決断でしたが、野球人生を終えて後で振り返ったときに、正しい判断だったと思えるよう頑張ります」「入団会見では、ここまで支えて頂いた全ての皆様に感謝しながら、ドジャースのユニフォームに袖を通したいと思います」と投稿した。
佐々木投手は、高田小、猪川小、大船渡一中、大船渡高と進み、ドラフト1位で令和2年に千葉ロッテ入団。プロ2年目で1軍登板を果たし、3年目の4年は、4月10日のオリックス戦で28年ぶり16人目、NPB(日本野球機構)史上最年少での完全試合を達成するなど飛躍のシーズンとなった。
4年目は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場し、日本代表の優勝に貢献。シーズン中は、ドジャースの大谷翔平選手(奥州市出身)が日本ハム時代にマークした日本人選手最速タイの165㌔の記録に並んだ。5年目の昨年は、18試合に先発登板し、自身初の2桁勝利を達成した。
佐々木投手が登板する試合には、大リーグ関係者が足を運び、動向が注目された。ポスティング申請後は、大リーグ30球団のうち20球団が興味を示すなど、激しい争奪戦が繰り広げられた。
ドジャース移籍を決めた佐々木投手は、WBCでともにプレーした大谷選手や、元オリックスの山本由伸投手とチームメートになる。日本を代表する選手としての活躍が期待され、地元気仙のファンらも応援している。
佐々木投手はこれまで、気仙で野球に励む子どもたちをプロの晴れ舞台につなぐ役割も果たしてきた。大船渡一中野球部の千葉恭佑さん(2年)は、猪川小6年時の令和4年6月、協賛試合「黄金の國いわて・大船渡ナイター」として行われたプロ野球公式戦・千葉ロッテマリーンズ対中日ドラゴンズ戦での始球式に臨み、バッターボックスに立った佐々木投手を相手に速球を投げ込んだ。
契約合意の一報に触れ「本当にすごいことだと思う。あの時、大観衆の中で投げたことで、緊張しないでプレーできるようになった。大谷選手や山本選手と一緒に、ワールドシリーズで活躍してほしい」とエールを送る。
佐々木投手の母校・大船渡高の石井美樹子校長は、「佐々木選手は本校の誇りであり、その才能と努力が世界に認められたことを非常にうれしく思います。これまでの活躍は、本校生徒、教職員にとって大きな励みとなりました。佐々木選手が新たな環境でさらなる進化を遂げ、素晴らしいパフォーマンスを発揮することを心から期待しています。今後も活躍を全校一丸となって応援します」とコメントを寄せた。