給付型奨学金 7年度分を追加募集へ ゆめみらい大場達史奨学基金を財源に 10人程度 24日から受け付け
令和7年1月19日付 1面

陸前高田市は、独自に実施している給付型奨学金制度の令和7年度奨学生を追加募集する。同制度に役立ててほしいとして、多額の寄付を受けたことに伴い、市が昨年12月に設立した「陸前高田ゆめみらい大場達史記念奨学基金」を財源に充てる。追加枠は10人程度で、24日(金)から申請を受け付ける。これによりすでに募集を締め切った当初分と合算し、7年度奨学生は30人程度に増員となる。市教委は「追加募集は寄付のおかげ。人材育成のため大切に活用する」と感謝している。(高橋 信)
基金は、昨夏亡くなった大場達史氏(50代)の遺族から、約1億2000万円の寄付を受け、寄付金を管理するために創設した。
7年度奨学生は20人程度を定員に、昨年11~12月に募集した。今回、基金を初めて活用することとし、追加募集を決めた。
対象は、大学や専門学校などに進学・在学する人のうち、成績が特に優秀(評定平均4・0以上)で、経済的な理由で修学が困難な学生。20万円の入学一時金と、月額3万円を給付する。
給付期間は、正規の就学期間(短大は2年、大学は4年、または6年など)としている。4年制大学の学生であれば、4年間の受給額は計164万円となる。
給付型奨学金は、一昨年2月に就任した佐々木拓市長が選挙公約で打ち出した人材育成策。令和5年度に制度化し、本年度から本格運用している。同年度は20人(応募者65人)に支給し、費用はすべて一般財源を充当している。
市は事業の継続実施のため、資金調達にも動き出した。7年度奨学生分からは、一般財源に加え、同基金や通常のふるさと納税の寄付、さらにクラウドファンディング(CF)型のふるさと納税の寄付を充てる。
CF型は返礼品を前面に押し出す通常のふるさと納税と異なり、使い道を事前に明示して寄付を募る手法で、市は昨年8月、「給付型奨学金への支援を」と受け付けを開始。寄付額は18日午前11時現在3131万円と、目標額の2倍近くを集めている。募集は今月末まで。
市教委の千葉達教育次長は「貴重な寄付があり、基金を設立することができ、市長をはじめ全員が感謝している。優秀な学生の学修にかかる経済的な負担を少しでも軽減できるよう、基金を大切に運用していきたい」と話す。
追加分の申請は2月末まで、市役所5階の教委学校教育課で受け付けている。応募書類は市ホームページに掲載しており、同課窓口でも配布している。
問い合わせは、同課(℡54・2111内線522)へ。