インタビュー気仙2025ー②陸前高田市建設業協会会長・畠山正彦さん(67) 担い手確保へ官民一体で
令和7年1月22日付 1面
──市建設業協会はどのような事業を展開しているのか。
畠山 昭和45年に設立し、現在は市内36社が加盟している。事業の柱は、市道の草刈りやごみ拾い、高田松原の清掃といった地域貢献活動と、現場パトロールや安全講習会、安全大会など労働災害防止に向けた安全衛生の取り組みだ。
また、市内におけるインフラの危険箇所を協会独自に点検し、市に対応を求める要望書の提出も数年前から始めた。普段インフラに関わるわれわれの目線で危険と感じる場所をお伝えしており、今後も継続していきたい。
昨年は能登半島地震が発生し、協会として被災地に寄付金を送った。昨年4月には会員有志が現地に足を運び、物資も届けた。東日本大震災後、国内外から温かな支援を受けた立場として、他の被災地に寄り添い、恩返ししたいと思う。
──震災からのハード復旧が進み、市内では旧吉田家住宅主屋の復旧を残すのみとなった。
畠山 被災した旧吉田家住宅主屋の復旧業務は、当協会が請け負っている。3月の完成、5月の一般公開に向け、工事は順調に進ちょくしている。
主屋は県指定有形文化財に指定されている陸前高田の貴重な財産。全国に誇る気仙大工・左官の技でよみがえることとなり、復旧現場には多くの人が見学で訪れている。開館すれば、職人の技が詰まった象徴的な建物の価値を発信することにもつながり、多くの人に見に来ていただきたい。
──業況はどうか。
畠山 ハードは整い、まちはきれいになった。同時に復興需要が終息し、この業界は非常に厳しい。
震災後は、われわれも、行政も津波で被災した地域に集中的に手を掛ける時期が続いた。今は被災していない地域にも目を向けることができる。安全パトロールを兼ねながら、そうした地域をくまなく回り、需要を掘り起こしていきたい。
震災前と比べると、人口がかなり減っており、まちには寂しい感じも漂う。建設業における課題は多岐にわたる中、個人的に危惧しているのは、若い人材の不足だ。人手不足はどの業界でも共通の問題ではあるが、建設業は特に深刻だと認識している。
──厳しい状況下、北上山地(北上高地)が建設候補地とされる国際リニアコライダー(ILC)誘致実現が期待される。
畠山 誘致を切に願っている。建設が決まれば、内陸だけでなく、沿岸にも大きな経済効果が見込まれる。技術者や科学者が海外からも集まることは、英語教育や国際交流の促進など、さまざまな面で良い効果が想定される。
今年3月ともいわれている政府による誘致判断のリミットが迫っている。石破茂首相は「地方創生2・0」を掲げ、地方としては大変心強い。ぜひILCを実現させてほしい。
──会長としての今年の抱負を。
畠山 建設業に入る若者が少ないのは、この仕事に魅力が感じられないということなのだと受け止めている。建設業は市の基幹産業の一つであるという自負はあるが、その基盤が弱っているのは確か。先を見据えて対策を講じていかねばならない。「憧れる業種となるためには何が必要か」ということを、協会内で模索する年としたい。
若い人材を確保し、育てるという課題は、われわれ民間の力だけでは解決が困難。行政と連携し、官民一体となって担い手確保に取り組んでいきたい。
建設業は公共工事への依存度が大きい。一つでも二つでも市から工事を発注してもらうため行政との連携は不可欠。市は脱炭素先行地域に選定され、今後、新たな展開が待っている。脱炭素化の取り組みに協会としても関わることができるか探っていく。
課題は山積しているが、行政と足並みをそろえ、会員一丸となって地域の活性化に寄与していきたい。
(聞き手・高橋 信)






