希望と期待 歌声に込め 新生・大船渡中の校歌 濱守栄子さんが作詞・作曲 生徒ら合唱で機運高める(動画、別写真あり)
令和7年1月29日付 7面

来年度に統合し、新生「大船渡中学校」となる大船渡市の大船渡中(和賀真樹校長、生徒125人)と末崎中(佐々木伸一校長、生徒71人)で、統合に向けた準備が進められている。28日には、大船渡中校舎で両校1、2年生による新校歌の合同練習が行われ、生徒らが未来への希望や4月からの新生活への期待を胸に、新たな伝統となる歌声を高らかに響かせた。(菅野弘大)
新校歌の作詞・作曲を担ったのは、末崎町出身のシンガーソングライター・濱守栄子さん(46)。統合推進協議会内で制作を依頼し、濱守さんが代表を務める「合同会社トップアーティストライフ」と委託契約を締結した。歌詞は、協議会側から大船渡、末崎にちなんだ単語・フレーズを提供したほか、明るく力強い雰囲気かつ、テンポよく歌いやすい曲調で、生徒が希望を持ち、目指す人物像を思い描くとともに、大船渡、末崎両町の自然や伝統を尊重するイメージも伝えた。
その後の会合で、濱守さんが制作した歌詞、デモ音源を委員らで試聴し、そこで出た意見をもとに修正と試聴を重ね、昨年末に校歌が完成。今月15日、市教委が校歌楽譜を公表した。
28日は、11月から開催している生徒交流会の第3回として、校歌の合同練習を実施。両校ではこの日に向けて、音楽の授業で歌ったり、校内放送で流すなどして機運を高めてきた。濱守さんも会場に駆けつけ、生徒らと交流しながら、直接歌唱指導を行った。
歌詞には「黒潮の力」「碁石の浜辺」「五葉の頂」といった大船渡の象徴的な単語が並ぶほか、「志ひとつ 使命を果たさん」など、新しい環境で未来に向かう生徒らへの期待も込められている。濱守さんは「学校や地域への思いが込められているのが校歌。歌詞の意味やそこにある思いを意識して歌ってほしい」と呼びかけ、「ももしま」としてユニットを組む「未来アーティストたっち」さんによる、合唱時の心と体を整えるレクリエーションも交え、全員で歌声を重ねた。
大船渡中の合唱委員長を務める田村汐さん(2年)は「新しい校歌にも、閉校する学校の思いがつながれていると感じる。濱守さんが込めた思いを伝えられるように、そして新生・大船渡中をにぎやかにしていけるように頑張りたい」と意気込みを語り、末崎中の大友蓮琉さん(同)は「新しい校歌は歌って楽しい気持ちになり、元気をもらえる。しっかり声を出して歌っていきたい」と力を込めた。