〝魅せる〟返礼品紹介に ふるさと納税のポータルサイト 専門業者に委託し運営開始
令和7年2月2日付 1面

ふるさと納税の新規寄付者獲得やリピーター増加に向けて、住田町はポータルサイトの管理などを専門知識・ノウハウを持つ県外業者に委託している。昨年11月の契約後、すでに一部返礼品の紹介ページがリニューアルされており、今後も返礼品の〝魅せ方〟に工夫を凝らし、ポータルサイトの返礼品紹介を充実させることで、アクセス数と寄付の増加につなげていく。本年度で体制を整え、令和7年度から本格的にサイトを運営していく考えだ。
ふるさと納税は、出身地など特定の自治体に寄付する制度。同町は平成20年に「住田町森林・林業日本一の町づくり寄付条例」を制定し、森林・林業を通じたまちづくりなどに活用してきた。
27年度には寄付金の使途を幅広いまちづくり事業に拡大。▽森林・林業日本一の町づくり▽子育て・福祉・医療の充実▽教育・文化・スポーツの振興▽住民活動団体の支援▽そのほかのまちづくり──の五つから支援分野を選べるようにした。令和2年度からは総合計画に掲げる取り組みも加え、支援分野を細分化した。
返礼品としては、町産米や精肉、滝観洞の入洞券、地元食材を生かしたセット、木工製品などを取りそろえ、「住田らしさ」をPRしている。
現在、町では「ふるさとチョイス」「さとふる」「楽天ふるさと納税」、JR東日本のECサイト「JREMALL」「ANAのふるさと納税」の五つのポータルサイトに出品。このうち、「さとふる」を除く4サイトでは、町が自ら返礼品ページを管理している。
こうした中、町が「まちづくり応援寄付推進業務」として委託したのは、山梨県の㈱シーショアシルク(磯部智博代表取締役)と和歌山県の㈱じゃばらいず北山(池上輝幸代表取締役)。シーショアシルクは四つのポータルサイト運営と返礼品の新規開発を、じゃばらいず北山が返礼品の発送に関する業務を主に担当する。
シーショアシルクは、町が「災害時における相互応援に関する協定」を締結している山梨県丹波山村に本社を構える。磯部代表取締役(40)は元同村職員で、ふるさと納税に関する業務にも携わっていた。令和5年に独立し、ふるさと納税PR業務などを手がける同社を設立。丹波山村への寄付額増加にも貢献している。
業務受託後、住田町に足を運んで返礼品を扱っている町内事業所を回っているほか、新規返礼品の掘り起こしを進め、魅力あるポータルサイト構築に向けて汗を流す磯部代表取締役。「住田の返礼品は可能性を秘めている。より魅力ある紹介ページをつくっていきたい」と熱意をのぞかせる。
同町の5年度の寄付件数は1415件で、金額は2248万円。本年度は、1月30日現在で1384件、1804万円となっており、町では年度内に寄付2000件を目指す。
町企画財政課企画調査係の本田貴寛主事は「この取り組みを通じて住田町を知ってもらうことで、移住・定住促進など、まち全体の活性化につながれば。新たな返礼品の提供に協力してくれる事業者と、住田を応援してくれる方を増やしていきたい」と話しており、7年度は、寄付件数4000件、金額5000万円を目標に掲げる。