ひな飾りで華やぐ 加茂神社境内の八坂神社 「桃の節句」まで公開(別写真あり)
令和7年2月4日付 1面

大船渡市大船渡町の加茂神社(荒谷貴志宮司)境内にある八坂神社社殿に「節分」の2日、地域住民らが寄せたひな人形が飾られた。家庭での役割を終えた人形たちに再び日の目を当てようと毎年行っているもので、社殿は一足早く春めいた雰囲気に包まれた。人形は3月3日(月)の「桃の節句」まで公開することとしており、広く鑑賞を呼びかけている。(千葉雅弘)
加茂神社では、地域住民らが家で飾らなくなったものや、処分のために持ち込まれたひな人形を預かり、平成29年から毎年、保存状態がよいものを所有者の了承を得て境内社である八坂神社の社殿に飾り、公開している。
飾り付けは、加茂神社の総代会(及川千春会長)と敬神婦人会(佐藤佐代子会長)が中心となって行っており、今年は会員約10人と荒谷宮司が作業に当たった。
総代会員が手作りした5段のひな壇に、男びなと女びな、三人官女、五人ばやしなど合わせて126体の人形を並べ、武家の婚礼道具になぞらえたとされるたんすや挟箱といった品々もあしらった。
人形は、家庭での役割を終えたとはいえきれいなまま。大事に扱われてきたことを物語っており、配置のバランスにも気を配りながら丁寧に並べていった。
この日は、冷たい風も吹いたが暖かい陽光も注ぎ、春の兆しを感じさせる日和となった。敬神婦人会員たちは「ずらりと並んだおひなさまを眺めていると、気持ちも春めいてくる。たくさんの人に見てもらいたい」と、華やかさに包まれた社殿の様子に目を細めていた。
「桃の節句」までの午前7時~午後4時に社殿を開放し、立ち入っての鑑賞や写真撮影をできるようにしている。悪天候の場合は開放しない。