互いに刺激 学びの機会に 高校生と町議が意見交換(別写真あり)

▲ 高校生と議員が意見を交わした「あつもりミーティング」

 住田町教委が主催する町議会議員と住田高校生の意見交換会「すみたあつもりミーティング」が4日、世田米の生活改善センターで開かれた。生徒が町独自教科「地域創造学」での学びの成果などについて発表して議員と意見を交わし、両者がまちの活性化や教育環境充実に向けて考える機会とした。
 地域創造学による探究の中で見えた住田町の課題やその解決策、自身の将来の目標などについて町議会議員と意見を交わすことで、探究学習の意義を深めていこうと企画。
 高校生と議会が直接、意見を交わす場が設けられたのは初めてで、この日は及川桃花さん(3年)、紺野爽介さん(2年)、金野恵人さん(1年)、伊藤治子校長ら学校関係者と町議11人が参加した。
 冒頭、松高正俊教育長が「若者の政治への関心を高める意味でも大切な会になる」と、伊藤校長が「高校生にとって貴重な経験で、政治への関心を高める一つのきっかけになれば」とそれぞれあいさつ。
 このあと、及川さんと紺野さんが同校についてプレゼンテーションを行った。町と協働して学校のPRポスターを作成していることや、給食提供や海外派遣実施といった町からの補助、規定の制服がなく、紺色のブレザーを着用すればスカートもスラックスも自由度の高い着こなしができる同校の「パーソナルユニフォーム」、生徒一人一人に伴走する教育コーディネーターの存在、地域の住民・団体との関わりなど、小規模校ならではの魅力や取り組みを紹介した。
 町では平成29年度に文科省から研究開発学校の指定を受けて以降、小、中、高校の12年間を通して社会的実践力を育成することを目指し、教育課程の特例による独自教科・地域創造学を展開。住田町在住の及川さんと紺野さんは「大人と話す機会が増えて、視野が広がった」「いろんな人と関わることで、一人で抱え込まずに人を頼れるようになった」と、学びを通じた自らの成長を振り返った。
 続いて、金野さんが部活動の「アツモリソウ同好会」での取り組みを発表。町花にも制定され、自生数は激減して栽培が難しいことから希少性が高まるアツモリソウを町外へとPRしていくための構想を説明した。
 意見交換では、議員側が今後へのアドバイスを送ったほか「高校生の生の声を聞くことができて、刺激、学びになった」といった感想も上がり、議会側も高校生の視点を今後のまちづくりのヒントとしていた。
 佐々木春一町議会議長は「小、中、高の連携で地域創造学を行うことによる生徒の成長を見ることができ、住田の教育課程、地域との関わりの中で、確かに育っていると感じた」と所感を述べた。
 同校生徒会長を務めている紺野さんは「自分たちが成長したことを伝えることができたし、やってきたことを評価してもらえてうれしかった。もっと議員さんと関わっていけたらいいと思うので、そうした機会を創出していけたら」と話していた。
 町教委では今後も、形式にとらわれず議会と生徒の関わる機会を設けていきたい考え。