交通系ICカード利用可に 岩手県交通 気仙でも対応バス運行開始(別写真あり)

▲ 乗降時に交通系ICカードをタッチして運賃を支払うバス運行がスタート

 岩手県交通㈱大船渡営業所管内で5日、運賃の支払いで交通系ICカードが利用できる車両の運行が始まった。地域連携ICカード「Iwate Green Pass(いわてグリーンパス)」や「Suica(スイカ)」などが対象。順次車載器の設置を進め、15日(土)ごろには管内を走る全車両で導入される。
 同日は大船渡町のマイヤ大船渡店前で式典が開かれ、渕上清市長や岩手県交通の本田一彦代表取締役らが出席。車載器への導入を終えた車両も展示された。
 渕上市長は「日常生活で利用する市民や観光客らの利便性が高まり、持続可能な交通につながれば」とあいさつ。本田代表取締役も「令和3年から盛岡を皮切りとし、4年かけて沿岸までカバーできることになり、感慨深い」と述べた。
 県沿岸広域振興局の沖野智章副局長による祝辞に続き、本田代表取締役が渕上市長にいわてグリーンパスの目録を贈呈。車内では、渕上市長らが機器にカードをタッチして乗降の流れを体験した。
 県交通では、国土交通省の交通サービスインバウンド対応支援事業を活用し、地域連携ICカードシステムの導入を順次進めてきた。国、県、市がネットワーク費用の一部を補助している。
 営業所管内で順次導入されるのは▽大船渡盛岡線▽一関大船渡線▽大船渡住田線▽立根田谷線▽丸森立根線▽綾里外口線──の6路線。三陸沿岸道路を主要ルートとして気仙など本県沿岸部と仙台市を結ぶ高速バス「釜石─大船渡─仙台線」ではすでに導入されている。
 利用できる交通系ICカードは、いわてグリーンパスとスイカに加え、スイカと相互利用可能な交通系ICカード。利用可能車両には、前面・側面に専用マークを付ける。専用マークが付いた車両では、従来から発行しているバスカードは使用できなくなる。
 全車設置までの間は、バスカードのみが使用可能な車両が混在し、交通系ICカードとバスカードいずれも用意するよう呼びかける。全車両で、現金での支払いに対応している。
 いわてグリーンパスは、立根町の大船渡営業所で無記名カードと個人情報登録手続きが必要な記名式カードの販売に対応。バス運賃支払時に同パスを使用した場合、運賃の3%がポイントとして付与され、一定量がたまるとポイント支払いも可能となる。スイカと相互利用可能な交通系ICカードが使える他路線バスでも利用できる。
 カードは、1枚当たり1500円の入金と預かり金500円を加算した2000円で販売する。預かり金はカード返却時に返金される。
 問い合わせは、同営業所(℡26・3730)まで。