地元〝凱旋〟で応援に感謝 プロトライアスリート・寺澤選手(末崎町出身) 母校や市役所を表敬訪問
令和7年2月8日付 7面
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大船渡市末崎町出身のプロトライアスリートで、昨年9月に開かれた「パリ2024パラリンピック競技大会」のトライアスロン競技男子PTVI(視覚障害)で日本代表選手のガイド役も務めた寺澤光介選手(30)=SUNNY FISH所属、東京都=が7日、同市に〝凱旋〟した。母校や市役所、自身が通ったmacスイミングスクールなどを表敬訪問し、パリパラ大会出場の際に受けた応援への感謝を伝えた。寺澤選手は8日、盛町のリアスホールで講演を行う。(菅野弘大)
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末崎小では児童らとクイズなどで楽しく交流した
寺澤選手は、末崎小、中、大船渡高と地元の同スイミングスクールで水泳を続け、中学時代にトライアスロンと出合った。高校2年時の東日本大震災で自宅も被害を受けたが、高校最後の1年間は盛岡南高で水泳に打ち込み、強豪・日体大で本格的に競技を始めた。トライアスロンスクールの運営などを行う㈱SUNNY FISHで競技力に磨きをかけ、全日本宮古島大会の連覇や、東京2020パラ銅メダリスト・米岡聡選手(39)=三井住友海上=の競技パートナーとしてパリパラ大会に出場するなど、国内外で活躍するプロ選手へと成長した。
7日は、母校の末崎小、中学校、市役所、macをそれぞれ表敬訪問。応援動画や寄せ書きの応援旗など、自身にエールを送ってくれた関係者らに、パリパラ大会の応援に対する感謝を伝えた。
最初に訪問した末崎中では、講演として全校生徒にパリパラ大会の結果を報告。パラトライアスロンの競技性やレースの内容、完走して感じたことなどを紹介した。
パラ出場について寺澤選手は「本当に特別で、夢のような時間。レース中は米岡選手とのやりとりも聞こえないほど、沿道からの声援が大きかった」などと語り、世界的な大会の雰囲気を実感したと説明。アクシデントに見舞われながらも「ゴールの瞬間は、レースができてうれしい、ありがとうという充実感でいっぱいだった」と振り返り、「皆さんも何かにチャレンジする時、周りの応援が自信につながる。たくさんの『ありがとう』の感謝を持って、その気持ちをしっかり伝えよう」と呼びかけた。
また、生徒らからの質問にも答えた寺澤選手。「しんどい時でも、とりあえずやってみるとやる気が生まれる」「周りと比べず、自分ができることをやろう。乗り越えれば、新しい発見や自分の引き出しが増える」などと経験を伝えた。
macで水泳に励む松岡孜馬生徒会長(2年)は「これほどのすごい選手が末崎中出身であることが誇りだし、寺澤選手のように広く、温かい心で取り組む姿勢を見習いたいと思った。閉校、統合も控えるが、残りの期間で感謝の気持ちを伝えていきたい」と話した。
続いて訪問した末崎小では、児童らとクイズなどで交流。児童らが寄せ書きした手製の〝金メダル〟や、全校のエールも受け取った寺澤選手は、児童らの元気いっぱいな様子に笑顔を見せた。1年生と一緒に給食も味わい、母校で過ごす懐かしい時間を楽しんだ様子だった。
この後、市役所を訪れた寺澤選手は、渕上清市長や、引屋敷努副市長をリーダーとする寺澤光介選手応援プロジェクトチームのメンバーと懇談。夕方には、macスイミングスクールに通う子どもたちとも触れ合い、今後の成長に期待を込めた。
寺澤選手は8日、リアスホールマルチスペースで講演を行う。講演会は2部制で、第1部は寺澤選手のトーク、第2部は寺澤選手と関係者を交えたパネルディスカッションを実施。パリパラ大会の競技映像を市国際交流員による同時通訳付きで振り返る。
当日は午後1時開場、同30分開演。事前申し込みは不要で入場無料。