梅ケ枝餅通じて交流 おおふなと夢商店街 福岡・筑紫女学園大生が活動(別写真あり)

▲ 笑顔で餅を手渡す学生たち

 福岡県太宰府市の筑紫女学園大学(南博文学長)に通う学生らが9日、大船渡市大船渡町のおおふなと夢商店街を訪れ、太宰府名物の梅ケ枝餅を地域住民に振る舞った。訪れた地域住民に焼きたてを手渡しながら交流を深めた。
 梅ケ枝餅の振る舞いは、同大学の学生有志が東日本大震災後の東北支援を目的に始めた活動。同商店街が仮設施設で運営していた時から交流が続き、今回で30回目を迎えた。
 訪れたのは現代社会学部・栗山俊之教授(62)のゼミに所属する3年生6人と教職員の計9人。つぶあんを薄い餅生地で包む作業は、学生だけでなく、夢商店街の関係者も加わり、手を動かしながら笑顔を交わした。
 生地は専用の粉を用い、フライパンで焼くと香ばしさが広がった。熱々の状態で包装し、楽しみにしていた地域住民に振る舞った。学生たちが手渡すと、地域住民も「毎年ありがとう」「遠くから来てくれたんだね」と感謝の思いを伝えていた。
 訪れた学生6人全員が九州出身。東日本大震災当時は小学校低学年で被災地の様子を報道で知る機会は少なかったといい、震災前の街並みや震災直後の様子を聞く光景も見られた。
 ゼミ長を務める砂坂優里愛さん(21)は「たわいのない話から、いろいろな交流ができた。心の温かさが伝わった」と話し、笑顔を見せた。
 栗山教授は「学生たちには人に寄り添う力や、支え合うことが当たり前と考えるようになってほしい。毎年学生たちが来ていることで、自然に学ぶことができている」と話し、来年以降も継続的な活動を見据える。