松ぼっくりココアいかが 道の駅高田松原が冬限定商品 売り上げの一部を守る会に寄付

▲ 「高田松原の松ぼっくりココア」を手にする従業員

 陸前高田市気仙町の道の駅高田松原内にあるカフェ「すなば珈琲高田松原店」は、冬季限定商品「高田松原の松ぼっくりココア」を販売している。東日本大震災で流された国の名勝「高田松原」の松林再生のストーリーを地元内外の人に知ってもらいたいとの願いを込めて開発した今季からの新商品で、売り上げの一部を同市のNPO法人高田松原を守る会に寄付する。(高橋 信)


 商品はホットココアの上に、松ぼっくりに見立てたチョコレートクリームを乗せ、刻んだ板チョコなどを振りかけた。雪だるま型のホワイトチョコレートも添え、季節感を演出している。
 昨年11~12月にはクリスマスシーズンに合わせ、「松ぼっくりリース」にちなんだココアを打ち出し、クリスマス後、現商品にマイナーチェンジ。「かわいい」などと来店客の反応も上々といい、当初は今月初旬で販売を終了することとしていたが、今月末まで期間を延ばした。
 約7万本あったとされる高田松原の松林は、震災で奇跡の一本松を残して流失。その後、県や高田松原を守る会は往時の景色を取り戻そうとマツの植樹に取り組み、4万本が植えられた。植栽地には、住民が震災前にクリスマスリースを作るために拾った、かつての松原由来の松ぼっくりから採った種で育てた木もある。
 同店はそうした再生のストーリーを発信しようと、松ぼっくりココアを開発。「高田松原還元シリーズ」の第1弾と位置づけ、今後も高田松原にちなんだ新商品を打ち出していく計画だ。売り上げの一部は、松林の再生・保全活動に取り組む守る会に寄付し、応援していく。
 スタッフの竹田耕大さん(32)は「道の駅は、高田松原あっての施設。津波伝承館や震災遺構を見学したあと、ココアを飲んで心を落ち着かせてもらいたい。高田松原や松ぼっくりに焦点を当てた商品を今後も手掛けていきたい」と話している。
 価格は税込み630円。