リニューアルへ関係者連携 安全見守る警察官人形 住田高生も塗装作業に参加

▲ リニューアル後の姿に期待を膨らませる関係者

街頭に立ち四半世紀、風雨で傷み

 

 住田町世田米地内の道路沿いに設置され、雨の日も風の日も交通安全を見守っている2体の警察官人形。設置から四半世紀が経過して老朽化し、傷んでいることから、関係者による補修が進められている。今月からは地元の県立住田高校の生徒が作業に参加。生徒や関係者たちは、安全安心のために昼夜問わず街頭に立ち続ける人形への感謝を込めながら、作業に当たっていく。(清水辰彦)

 

 地域住民に親しまれる警察官人形は、26~27年前に気仙地区交通安全協会世田米分会が設置したもの。当時、町内で死亡事故が多発したことから、安全運転の「監視役」として、歴代分会長から寄付を募って購入。事故が発生するたびにその現場へ人形を設置し、注意喚起してきた。
 近年、1体は国道340号と同107号が接する火石交差点近くにある大船渡警察署世田米駐在所前に、もう一体は世田米の下在公民館近くの国道340号沿いに設置され、町内の交通安全に貢献している。
 猛暑でも、酷寒でも街頭に立ち続けてきた警察官人形。塗装がはがれるなどして傷んでいるが、すでに製造されておらず、気仙地区交通安全協会の杉下吉身会長(82)が1月から補修作業を開始。1次補修として胴体部分や顔を塗装し直し、住田高校生が2次補修として表情などを描く。
 高校への引き渡し式には同協会関係者や生徒、県トラック協会大船渡支部、大船渡警察署から約30人が出席。全員で人形を眺めるなどして、リニューアルを心待ちにした。
 杉下会長は「これからも末永く、安全安心な地域のために見守ってほしい」と願う。
 同校の紺野爽介さん(2年)は「小さい時から見てきた人形。見た人が驚きつつも、笑顔になってくれるようにしたい。これからも交通安全を見守ってほしい」と話していた。
 生徒たちは今週から来週にかけて表情のイメージを固めつつ、人形それぞれの名称も考える。塗装作業は今月20日ごろにスタートする見込み。補修後は、令和7年度春の全国交通安全運動期間中に再び設置する。