議会改革の方向性は 市議会機能向上特別委 大正大・江藤教授招き研修

▲ 他市町村の事例紹介も交えながら講演する江藤教授(奥)

 大船渡市議会の「市民と歩む議会機能向上特別委員会」(委員長・今野善信副議長、議長を除く全議員で構成)は13日、市役所で開かれた。公共政策や地方自治、地方政治を専門とする大正大学地域創生学部の江藤俊昭教授が、議会改革の活性化に向けた見直しのポイントなどを解説した。
 同委員会は昨年9月に設置。2年程度をかけ、予算と連動した政策サイクルや議員定数、広報・広聴の検討を進めることにしている。
 委員や伊藤力也議長ら18人が出席。江藤教授は「議会改革の到達点と課題~『住民自治の根幹』としての議会を作動させる~」と題して講演した。
 年4回の定例会に合わせて行われる一般質問に関しては、総合計画に基づく内容・論戦の重要性を示した。「議員個人の質問から市全体の質問にしていくべき」と語った。
 「地域経営にとって重要なものは、すべて議会が議決している」とし、市当局に説明を求めるだけでなく、研究者や関係者から見解を聞く大切さに言及。議員間討議で長所、短所をあぶり出し、内容によっては修正案や付帯決議につなげるよう期待を込めた。
 議会基本条例に関しては、改正・見直しを重ねて充実を図る流れを示した。人口や予算規模の縮小が続く中、市にはない自治基本条例の重要性も挙げ、総合計画の実現などに向けた議員と行政、住民の関係性の明確化も指南。「皆さんは報酬や定数の見直しに関心があるかもしれないが、議会事務局や議会図書室、政務活動費と在り方などトータルに考えなければならない。関心がある部分だけの議論ではいけない」とも語った。
 昨年4月の市議選は市制施行後初の無投票に終わった中、議会だよりについて「選挙になれば公報で公約が示されるが、無投票では出ない。議会だよりに公約を出し『こういうことをやっていきたい』と示すのはどうか」との提言も。他市町村の事例紹介や、実際の議会日程に合わせた活動のヒントも多く、各議員は終始熱心な表情で耳を傾けていた。