交流と教訓学ぶ特色をPR 市観光物産協会 教育旅行誘致へ初のモニターツアー(別写真あり)

▲ 広田町の民泊受け入れ家庭を見学するモニターツアー参加者

 陸前高田市観光物産協会(熊谷正文会長)は19、20の両日、関東圏や愛知県名古屋市近郊の旅行会社、学校関係者らを対象に、市内で教育旅行のモニターツアーを行った。東日本大震災発生から間もなく14年。震災の教訓を学ぶとともに、事業者や地域住民、移住者など多様な人と出会い、交流できる同市ならではのプログラムをPRしようと初めて実施。参加者が関心深げに各地を巡った。(高橋 信)

 

 ツアーは、市から委託を受けている教育旅行誘致活動の一環で企画。関東圏のほか、市と友好都市協定を結ぶ名古屋市やその周辺都市から参加者を募り、計18人が参加した。
 初日は、高田松原津波復興祈念公園で震災遺構や震災津波伝承館を見学。その後、中心市街地で総菜店を開業した地元事業者や市立博物館の学芸員、寺院住職らのもとを訪ね、震災後の歩みなどについて説明を受けた。
 2日目は、米崎町の3・11仮設住宅体験館、民泊型修学旅行の受け入れ家庭、広田町の長洞元気村、県立野外活動センターなどを順次巡った。
 民泊の受け入れ家庭の蒲生由美子さん(66)=広田町=は、寝食を共にし、心の交流を体感できる民泊の魅力や思い出話を紹介。「食事を用意したり、洗濯したりと毎回大変だが、民泊の経験が自分の人生を変えさせてくれた。子どもたちと交流することで、地元の良さにも気付かされた」と伝えた。
 県立野外活動センター研修班長の及川秀明さん(53)はセンター内を案内し、震災・防災学習やマリンスポーツ体験など手掛けている事業を説明。「モニターツアーは施設の認知度向上、利用促進につながり大変ありがたい。全国的に防災意識は高まっており、だからこそ一人でも多くの人に陸前高田で学んでもらいたい。社会教育の場として当センターをPRしていく」と意欲を語った。
 愛知県豊橋市の私立桜丘中学校教諭の柴田匡俊さん(44)は「地元外の中高生向けのプログラムが充実していることを初めて知った。現地の人と交流できるのが特に魅力的。本校で実施している体験学習の一環で陸前高田を訪問できないか校内で検討したい」と関心を寄せた。
 市観光物産協会の小林大樹事務局長補佐(32)は「モニターツアーで初めてつながりを持った参加者からも熱心に質問を受けるなどして関心を持ってもらえたと思う。コロナ禍のあとオープンした施設や造成されたコンテンツもある。誘致を進めていきたい」と手応えを語った。