今後も地域創造学推進へ 町内小中学校 「教育課程特例校」に指定

▲ これまで研究開発学校として取り組んできた地域創造学。今後も各校が実践しながら、地域について学んでいく(資料)

 住田町内の小中学校、高校が、文科省の指定を受けて平成29年度から展開してきた独自教科「地域創造学」。本年度で指定最終年度を迎えるが、来年度からは小中学校が特別な教育課程編成が認められる「教育課程特例校」の指定を新たに受け、県立住田高校では「総合的な探究の時間」の一環として、それぞれ地域創造学に引き続き取り組み、地域の特色を生かした学びを実践していく。(清水辰彦)

 

 町内では平成29年度に小中学校、高校が文科省から研究開発学校の指定を受けた。学習指導要領等の国の基準によらない教育課程を編成・実践できるもので、小・中・高の12年間を通して社会的実践力を育成することを目指し、教育課程の特例による独自教科・地域創造学を展開。本来であれば、研究開発学校としての新規指定期間は令和2年度までの4年間だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で計画通りの展開がかなわなかったことから、「名目指定」として期間が1年間延長。さらに、文科省では4年度から6年度末まで指定を延長した。
 町では指定最終年度を迎えるにあたり、来年度からも引き続き地域創造学を推進していくために、「教育課程特例校」に申請し、今月7日付で指定された。
 研究開発学校と教育課程特例校は、ともに文科省の指定を受け、学習指導要領によらない教育課程を編成・実践できる。
 研究開発学校は、教育課程改善のための実証的資料を得るために新しい教育課程、指導方法等について研究開発を行う制度で、試験的な意味合いが強い一方、教育課程特例校は学校・地域の実態に照らし、指定を受けた学校がより効果的な教育を実施するための特別な教育課程を編成することを認める制度。
 来年度からは、世田米、有住両小学校と住田中学校が教育課程特例校として、住田高校は授業の一つとして盛り込まれている「総合的な探究の時間」の中で地域創造学に取り組む。
 これまで研究開発学校として実践を重ねてきた内容を継続・発展させ、地域の魅力を再確認するとともに、児童・生徒それぞれが地域課題を掘り下げ、解決に向けた探究を行っていく。
 19日に町役場で開かれた町教育研究所全体会の場で、参加した町内保育園、小中学校、高校の教員ら関係者に教育課程特例校指定についての報告があり、来年度以降も引き続き連携しながら住田独自の学びの充実を図っていくことを確認し合った。
 松高正俊教育長は「地域創造学を引き続き実施できることは、町にとっても、子どもたちにとっても喜ばしいこと。町としても、これまで同様に地域創造学の推進に努めていきたい」と話している。