プレミアム付商品券も 国、県と連動した市の物価高騰対策事業案 3月販売開始見据え補正予算計上

 大船渡市は、国や県の経済対策と連動した物価高騰対策事業をまとめ、開会中の市議会定例会に令和6年度一般会計補正予算案を提出した。このうち、物価高騰対策事業者支援事業では、昨年3月以来となるプレミアム付商品券事業を計画。額面5000円の商品券を3500円で販売し、前回よりも負担額を下げて広く市民に購入を促す。今月中の議会議決を経て、早ければ3月中の販売開始を目指す。(佐藤 壮)

 

 市が補正予算案に計上した物価高騰対策事業は別掲の通り。生活者や事業者への支援充実に向け、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金やまちづくり基金を活用する。11事業で計1億114万円を見込み、補正予算案の議決は今月27日(木)に行われる。
 このうち、物価高騰対策事業者支援事業では、市民に対し、市内店舗で使用できるプレミアム商品券を発行。額面5000円分の商品券を市内人口に相当する3万2500セット用意する。1500円のプレミアム分や事務費の財源を確保する。
 プレミアム付商品券販売は、新型コロナウイルスの影響対策として、令和4年2~3月(通常販売期間)と同年12月~5年1月(同)に実施。昨年3~4月(同)の第3弾は、エネルギーや資材、食料品の価格高騰などによる事業者や市民生活の影響を緩和し、地域消費の下支えを図る目的で行われた。
 第3弾は7000円分の商品券1セット(500円の商品券14枚)を5000円で販売。指定販売所での購入は、市広報にある購入整理券と現金との引き替えとした。
 商品券1セットの内訳は、市内の小規模店舗で使用できる「専用券」と、小規模店舗に加え大型店舗でも使える「共通券」が各半数。加盟店は374事業所444店舗だった。
 専用券は市内400を超える店舗・事業所が対象。共通券は大型店のスーパーマーケットやドラッグストアなど約20店舗でも対応した。
 昨年9月1日までに利用され、事業所の換金額は2億3524万円で、実際に購入・消費があったのは加盟店の79・41%に当たる297事業所だった。
 業種別にみると▽大型店39%▽食料品・酒・菓子・コンビニ16%▽ガス・ガソリン・石油製品16%▽飲食・弁当・仕出し9%▽理容・美容5%──などの順となった。
 市商工課では「予算案が可決されれば、速やかに事業に着手し、早ければ3月下旬の販売を目指して準備を進める。今回は販売金額を下げて買いやすくし、使用方法については前回を踏襲する形にしたい」と説明する。
 このほかの物価高騰対策支援事業では、障害福祉や介護の各サービス事業所、民間保育所、医療施設等、公衆浴場に対して、事業所・施設ごとに支援金を交付。保育所やこども園には、給食費負担軽減補助事業も実施する。
 また、道の駅さんりくが行う省エネ対策への補助金も。運輸事業者支援では、バス1台につき3万4000円、タクシーは同1万2000円、トラックや軽貨物車等は同2万1000円、運転代行は2万4000円をみており、同様の支援を行う県事業に上乗せする形となる。
 市は専決処分の補正予算を財源とし、国の総合経済対策と連動した低所得世帯への給付金事業も実施。住民税非課税世帯に3万円を支給し、さらに対象世帯のうち18歳以下の子どもがいる家庭には子ども1人につき2万円を追加支給するもので、市は今月6日から送金を進め、対象世帯の大半に給付を済ませた。