発生7日目で鎮圧宣言 三陸町綾里の林野火災 延焼320㌶超も住家被害なし
令和7年2月26日付 1面

大船渡市三陸町綾里田浜下地内で19日に発生した林野火災について、大船渡地区消防組合本部は25日午後3時5分、鎮圧を宣言した。焼失面積は320㌶超に及んだが、7日間にわたる懸命の消火活動で田浜地域の住家被害は食い止め、人的被害は免れた。現場では消防関係者が完全な鎮火へ向け、引き続き残り火がないか確認を続ける。
市災害警戒本部などによると、25日は午前9時から、地区消防組合20人、市消防団55人、県内応援隊42人が活動。消防団などが田浜地域の住宅近くで延焼の警戒を続けたほか、同組合や応援隊が林道などから延焼範囲に入り、残火がないかを確認。同3時過ぎに鎮圧宣言を出した。
鎮圧宣言に伴い、田浜地域に出していた避難指示は同日午後3時30分に解除し、綾姫ホールの避難所を閉鎖。電気設備への延焼を警戒し、23日午前0時から停電が続いていたが、避難指示解除に合わせて送電を再開した。また、市は災害対策本部を災害警戒本部に切り替えた。
この火災によるけが人や家屋被害は確認されていない。焼損面積は24日段階で324㌶。火災原因は調査中。
火災は19日午前11時55分ごろ、田浜集落から南側へ約1㌔離れた付近で発生。強風下にあって延焼範囲が拡大し、市は同日午後0時10分に災害警戒本部を設置し、同5時には災害対策本部を立ち上げ、同6時35分には県を通じて自衛隊派遣を要請した。
20日には、田浜地域から東側方向にも焼損範囲が拡大。21、22日には、北東部の立石山山頂部付近にも燃え広がり、空中からは、県や陸上自衛隊などのヘリコプターによる散水が繰り広げられた。
22日夜には、田浜地域の数カ所で火の勢いが強まった。海岸近くにある民家のすぐそばまで火が迫り、電線にも延焼のおそれがあったことから緊急停電も実施。午後10時過ぎには市消防団の全分団が出動して消火活動が行われ、住宅地への延焼を食い止めた。
23日も地上、空中からの消火活動が展開され、24日の昼過ぎには白煙が見えなくなったことなどから、市は自衛隊の撤収を県に要請。同日でヘリコプターによる活動は終了していた。