林野火災 相次ぎ発生 今度は陸前高田で出火 小友町から末崎町方面へ延焼拡大 両町の233世帯に避難指示
令和7年2月26日付 1面

25日午後3時19分、陸前高田市小友町柳沢地内の山林から火が出ていると消防に通報があった。火は市境を超えて大船渡市末崎町方面へ延焼し、同市は小田、梅神両地域の計162世帯391人に、陸前高田市は小友町の上の坊、柳沢、財当各地域の計71世帯155人に、それぞれ避難指示を出した。同6時現在、鎮圧には至っていない。このほかの建物被害やけが人は確認中。大船渡市三陸町綾里の大規模林野火災の鎮圧が宣言された矢先の出火で、地域には動揺が広がっている。
ごみ焼き広がったか
出火現場は小友地区コミュニティセンター東側で、周辺に住宅が点在している。市消防本部には「ごみ焼きの火が山林に燃え移った」と通報があった。
乾燥注意報が出されていた中、市境を越えて延焼し、末崎町方面へと広がった。火災エリアから離れた末崎町高清水地内でも住宅付近への飛び火が確認された。

大船渡市末崎町では住宅付近への飛び火も=門の浜漁港から、午後4時46分撮影
大船渡市は午後4時10分、末崎小体育館に避難所を開設。同37分に災害警戒本部を立ち上げた。陸前高田市は同5時に災害警戒本部を設置し、同10分、小友小に避難所を開設した。両市は自衛隊に災害派遣要請した。
末崎町の70代女性は、家の裏手の山が燃えているのを確認し、隣に住む家族を連れて末崎小に避難。「貴重品と水だけを持ち、家族に声をかけてすぐに避難した。綾里の火災が落ち着いた矢先の出来事で、不安が晴れない。早くおさまってほしい」と表情を曇らせた。
同町の門の浜漁港から様子を見守った80代男性は「山の向こうから末崎側に飛び火しているようだ。こちらまで火が来たら、住宅もあり、手のつけようがない。山を越えなければいいが」と話した。
小友町では、避難所開設に先立ち、火災現場に近い小友保育所が約40人の児童を同校に避難させ、午後5時ごろまでに保護者への引き渡しを済ませた。職員の一人は「無事に親御さんへ引き渡すことができ、ひと安心した。早く鎮火してほしい」と話していた。
また、出火現場近くから小友小へ避難した50代女性は「高齢の家族と一緒に、警察の方に連れてきてもらった。火がまだ見えるようだが、いつ消えるのか」と不安げな表情を見せた。
この火災の影響で、JR大船渡線BRTの陸前高田駅—盛駅間は運休となった。
26日も消火活動が行われる予定。同日、末崎小と小友小は休校、小友保育所は閉所措置がとられる。