一般会計は53億円に 令和7年度予算案を発表 現年度当初比3・7%増
令和7年2月27日付 7面

住田町は26日、令和7年度の各種会計当初予算案を発表した。一般会計は53億5900万円で、新年度に新たな町総合計画がスタートすることに伴う新規事業の増加、給与改定に伴う人件費増などにより、現年度当初から3・7%増えた。新総合計画に掲げる各施策を推進し、住民福祉を増進しながら人口減少抑制などを図っていく。(清水辰彦)
7年度当初予算の総額は、現年度当初比2・6%増の71億3903万円。このうち、国民健康保険、介護保険(保険事業勘定)、同(介護サービス事業勘定)、後期高齢者医療の4特別会計の合計は17億8003万円で、現年度当初から0・5%減。
一般会計の歳入は、67・8%が自主財源以外。町ではこれまで、地方交付税や地方譲与税、国庫支出金などを「依存財源」と呼んできたが、交付税などは法律や制度に基づいてのものであって、依存していることにはならないとの認識から、「自主財源以外」と呼び方を改めた。
予算額で最も多いのは地方交付税の24億2000万円で現年度当初と同額。次いで繰入金6億8152万円(現年度当初比30・3%増)、町税6億8048万円(同10・2%増)、国庫支出金4億776万円(同2・0%増)、県支出金2億9192万円(同16・0%増)と続く。
歳出の目的別内訳で最も多いのは、民生費の11億8382万円(同2・6%増)。以下、総務費9億2782万円(同16・0%増)、公債費6億8497万円(同0・6%増)など。
主な歳出をみると、産後の母子に対して心身のケアや育児のサポートを行い、安心して子育てができる支援体制を整備するため、県立大船渡病院の協力のもとで展開するデイサービス型の「産後ケア事業」に47万円を計上。
また、町内事業者の商品の新規顧客獲得や販路拡大を図るため、県の地域経営推進費を活用して消費者のニーズ分析等などを実施し、商品のブラッシュアップや新たな特産品を開発する「商品アップデートプロジェクト」として318万円を盛り込んだ。
特別会計は国民健康保険が6億7122万円(同4・3%減)、介護保険(保険事業勘定)が10億1354万円(同1・5%増)、同(介護サービス事業勘定)が211万円(同16・4%減)、後期高齢者医療が9316万円(同7・5%増)。
公営企業会計のうち、簡易水道事業は収益的収入が1億5357万円(同2・4%減)、同支出が1億3518万円(同3・5%減)。資本的収入は3998万円(同8・1%増)、同支出は7217万円(同25・5%減)。
下水道事業は収益的収入が1億523万円(同5・1%減)、同支出が1億89万円(同4・2%減)で、資本的収入は5747万円(同45・8%増)、同支出は6290万円(同28・3%増)。
7年度は、11年度までの5カ年を期間とする新たな総合計画の〝スタートダッシュ〟の時期となる。予算編成にあたっては、事業全体の見直しに加え、あらゆる事業立案の段階において国費・県費の最大限活用を図るなど積極的に新たな歳入確保を検討したほか、国が推し進めるDX(デジタル・トランスフォーメーション)については住民サービス向上や業務効率化を図り、行政サービスのさらなる向上につなげるために必要予算を検討した。
同町では、歳入は固定資産税など一部での収入増はあるものの、今後は人口減少により地方交付税など一般財源の減少が見込まれ、歳出では高齢化等に伴う社会保障費の増加、物価高騰への対応など厳しい状況が続くことが見込まれる。
これを踏まえ、神田謙一町長は「今後の人口減少の抑制と、健全な財政を将来世代に引き継いでいくことを念頭に予算を編成した」としている。
各種当初予算案は、27日開会の町議会3月定例会に提出される。