町長選への出馬を明言 施策演述で神田氏 町議会定例会開会 火災受け時間短縮
令和7年2月28日付 1面

住田町議会3月定例会は27日に開会した。会期を3月10日(月)までの12日間と決めたあと、神田謙一町長の施政方針演述や松高正俊教育長による教育行政演述、一般質問が行われた。神田町長は施策演述の中で、8月4日の任期満了に伴う次期町長選への出馬を表明した。(2面に一般質問の主なやり取り)
大船渡市三陸町綾里において大規模な火災が発生したことを受け、町としても支援体制を整えるため、演述や一般質問は簡略化して時間短縮を図った。
施政方針演述で、神田町長は「国の動きを的確に捉えながら、豊かな地域資源や地域での共助といったこれまで培ってきた強みに加えて、デジタル技術のような新たな力を活用することで新たな価値を生み出し、未来への希望を見いだすことが重要」と強調。
令和7年度は町制施行70周年の節目を迎えるとともに、同年から11年までを期間とする新たな総合計画がスタートすることから現在、計画策定に取り組んでいるとし、計画の概要も説明した。
自身の町長就任以来、重点施策として掲げてきた「医」「食」「住」の3項目に、新たに「地域経営」を加えた4項目を基本計画の政策軸に位置づけるとし、各政策における取り組みの方向性も示した。
「医」分野の中では、安心して子育てができる体制の確保に向け、新たに産後ケア事業を進めるほか、限られた医療資源を有効に活用するため、訪問看護ステーションへの支援を継続する。オンライン診療の普及拡大についても関係機関との協議を進める。
「食」分野では、地域産業の経営基盤強化を図るため、担い手確保・育成や収益性の向上といった農業振興、労働力や木材加工流通体制の強化といった林業振興、集落ぐるみで取り組む鳥獣害対策充実、事業承継・企業や特産品開発支援による商工業振興も展開していく。
「住」分野においては、安全で安心な暮らしを支えるため、消防団の体制充実、自主防災組織や避難所機能の強化、防犯・交通安全対策の充実も推進するほか、快適で過ごしやすい生活環境の整備にも努め、住宅の整備・確保、公共交通の充実などにも取り組む。
「地域経営」に関しては、コミュニティー活動の活性化、住田と継続的に関わる町外在住者、まちづくりを応援する人との関係構築を推進しながら、移住者等を迎え入れる環境づくりにも励む。戦略的な行政運営も図り、財源確保の一環としてふるさと納税のさらなるPRや返礼品の掘り起こしも行っていく。
結びには「次期総合計画に定める各種施策に取り組んでいき、引き続きまちづくりの先頭に立ち、町民の皆さま一人一人とともに歩み、ともに成長し、成長し続ける決意」と語り、次期町長選への出馬を明言した。
町長の施政方針演述に続いて松高教育長が教育行政演述。子育て支援・就学前教育、学校教育の充実などに意欲をみせ、県立住田高校の魅力化向上と生徒数確保に向けて、引き続き高校と連携していく方針だと述べた。
このあと行われた一般質問には、村上薫(無所属)荻原勝(同)の2議員が登壇した。
今定例会日程次の通り。
▽28日=本会議(一般質問)▽3月1~2日=休会▽3日=本会議、予算審査特別委▽4日=休会▽5~7日=予算審査特別委▽8~9日=休会▽10日=本会議(議案審議、予算審査特別委報告など)