ジオラマさらに充実 防災ウイークに合わせ展示 おおふなぽーとで11日まで(別写真あり)
令和7年3月1日付 2面
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大船渡市観光物産協会(齊藤俊明会長)による「おおふなぽーとで防災ウイーク」は1日、大船渡町のおおふなぽーとで始まる。同町在住で㈱菊池組の菊池静さん(62)による大船渡駅を中心としたジオラマ展示は、大船渡線全線開通90年を迎える今年はさらに充実させ、対岸で続く林野火災早期鎮圧への願いを込めた。11日(火)まで。
毎年好評を博しているジオラマ展示は、菊池さんが建築資材の断熱材などを用いて建物の模型を地道に一つずつ製作。昭和50年代前後に、大船渡町の地ノ森─笹崎に伸びる県道沿いに並んでいた建物を追い求めたほか、須崎川周辺の地域の風景も再現している。
大船渡線は90年前の昭和10年9月29日に、全線開通を果たした。今年は、その当時の駅前交差点や商店を紹介するコーナーも設置。約10㍍にわたり並ぶジオラマ沿いを歩くと〝タイムスリップ〟を楽しめる。
世界の戦争平和を祈る演出など、近年は現代の時事ニュースにちなんだ工夫も施してきた。先月26日から続く林野火災は延焼が続き、会場のおおふなぽーとからも炎が確認されるようになった中、菊池さんは早期鎮圧への願いもジオラマに反映させる。
列車が鉄路を走り抜ける音が聞こえなくなってから、14年を迎える。鉄路ファンでもある菊池さんは「3月になれば、就職や進学で見送る人が、大船渡駅に大勢集まるなど、それぞれ思い出があるのでは。記憶をよみがえらせながら、楽しんでもらえれば」と思いを込める。
防災ウイークは震災発生の3月に合わせ、防災への関心を高めようと開催。館内では防災学習、にこにんプラザによる「椿のつるし飾り」の各展示に加え、大船渡津波伝承会展示との連携も計画している。
追悼のライトアップは午後5時~同10時に行う。今年も漁業用具の浮き球を活用し、光で演出する。
9日(日)に予定されていた消防や警察、自衛隊の各車両展示は中止。一方、11日午後2時30分からは「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」を開催。同46分に黙とうを行い、その後は『ふるさと』『花は咲く』の伴奏・合唱を行う。
各種企画に関する問い合わせは同協会(おおふなぽーと1階、℡21・1922)へ。