焼けた木々、上る煙 赤崎・綾里大火 船上ルポ(動画、別写真あり)
令和7年3月5日付 3面


煙は確認できなかったが、火災被害を受けた建物(写真左端)も=三陸町綾里(午後3時30分)
大船渡市で発生している大規模な山林火災から7日目の4日、東海新報社は漁業者の協力を得て、消火活動終了後に海上から赤崎町、三陸町綾里方面を撮影。陸上からでは確認できない現場の様子をカメラに収めた。(取材協力=龍神丸)
大船渡町の下船渡漁港から出発。湾口防波堤を過ぎて湾外へ出ると、まず目に入ってきたのは赤崎町・千丸海岸。住宅地の後方の山から立ち上る煙を確認することができた。
船を走らせると長崎地域が見えてくるが、ここでも住宅地背後の山から煙が上っていた。48世帯が暮らし、住家被害が確認されている外口地域では、木々が燃えた跡もはっきりと残る。
発火場所である合足では、いまだ所々から煙が見え、火災の規模や恐ろしさを物語る。
そこから三陸町綾里の小路地域側へと船を走らせると、焼け焦げた跡だろうか、黒々とした山が目に飛び込んできた。綾里漁港方面を望むと、煙は確認できなかったが、望遠レンズ越しには被害を受けた建物が見えた。
その後、再び湾内へと入り、赤崎町の蛸ノ浦方面に向かった。撮影した時点では三陸町側よりも煙が多く、距離の離れた船上にも、焦げたような匂いがただよう。住家が並ぶ場所の背後からは煙が迫っており、各所には延焼を防ぐためだろうか、消防車両の姿も見られた。
龍神丸を所有するカキ養殖業・新沼敬司さん(60)=大船渡町=は「合足の方は一昨日に確認した時よりも落ち着いてきてるようには見えたが、まず一日も早く火が消えてもらうことを願う。漁業への影響も甚大だろう」と話していた。