発生1週間 焼失面積2600㌶に 赤崎・綾里大火 建物被害阻止へ懸命 鎮圧へ救いの雪・雨になるか(別写真あり)
令和7年3月5日付 1面
大船渡市赤崎町合足地内で出火し、同町と三陸町綾里の広範囲に及ぶ大規模火災は4日、先月26日の発生から1週間を迎えた。焼失面積は2600㌶と、前日から500㌶拡大。三陸町綾里の小石浜や甫嶺の各地域、赤崎町の蛸ノ浦地区では集落付近に火が広がり、建物へのさらなる延焼防止に向けて空中、陸上から懸命の消火活動が続く。5日は夜明け前から雨か雪となり、少なくとも同日夜まで降り続く見込み。火の手を阻む助けとなるか、避難を余儀なくされている地域住民らは空を見上げる。(2、3、7面に関連記事)
4日段階では、蛸ノ浦地区の南側に延焼が拡大し、前日に建物被害が確認された外口地域に範囲が拡大。三陸町綾里の小石浜、砂子浜両地域に近い部分では、尾根部分の延焼が南北に広がり、小石浜の住宅地付近にまで火の手が及んでいる。越喜来の甫嶺・鬼沢地域方向にも拡大した。
3日昼~4日にかけて、新たな住宅被害の確認はなかった。3日夜は特に、蛸ノ浦の山肌で炎が上がる光景が見られたが、4日に入ると風が収まり、延焼・拡大は進まなかったという。地上隊も夜通しで警戒にあたったが、放水を行うような事態はなかった。
大船渡中がある高台からは、住宅地に迫る火の手が確認できた。日の出が近づくにつれて煙が濃さを増し、大船渡町の海沿いから双眼鏡で対岸の様子を眺める住民の姿も見られた。
大船渡温泉にも多くの住民の姿があった。蛸ノ浦地域からリアスホールに避難している70代男性は「何もできることはないが、毎日ここから様子を見ている。日によって風向きが変わり、まちの方に火が来ている。カキの養殖もしており、今年の出荷への影響は免れないだろう。いつ家に帰れるのか、みんな同じことを思っている」と話した。
一方で、赤崎町側の数カ所に小規模ながら煙が上がっている地点が新たに見られるようになった。このうち、山口地域の住宅地に近い地点での白煙は、住宅地方向に伸びている状況ではないという。
空中からのヘリコプターによる消火活動は、赤崎町の海岸沿いでは常時3機体制で実施。甫嶺地域でも常時行っているほか、各県の防災航空隊による消火活動は砂子浜地域などで行われた。同日の消火活動により、赤崎町側で火の勢いは弱まりつつある。

緊急消防援助隊を構成する山形県大隊による小石浜での消火活動=4日午前、総務省消防庁提供
地上での活動を担う緊急消防援助隊は県外から2000人を超える規模で集まり、交代しながら現場に張り付き活動にあたる。赤崎町側を第1方面隊、合足・綾里の市街地を第2方面隊、白浜地域方面を第3方面隊、砂子浜から越喜来方面を第4方面隊とし、組織的な活動を続けながら建物などへの延焼拡大抑止にあたっている。
延焼が広範囲に及び、消火体制が日々増強される中、地元の大船渡地区消防組合は受け入れ体制や活動場所、水利確保などの調整を担う。
また、消防団について、4日の記者会見で市災害対策本部は「団幹部との協議などにより、現在は『消防団の活動能力を上回る災害』と判断し、他の災害に備え、通常対応としている。避難区域の消防団車両は、安全な場所に移している」と説明。焼失エリアの情報把握や後方支援を望む声もあるが「現在の消火活動地域には入れない」としている。
綾里地区では、約1150軒で停電。赤崎町では約200戸で3日から保安のため送電が停止された。
避難対象は三陸町綾里の全域、赤崎町の合足、大立、永浜、清水、長崎、外口、蛸ノ浦、宿、後ノ入、森っこ、大洞、生形、山口の各地域、三陸町越喜来は甫嶺東、甫嶺西、上甫嶺の各地域で、計1896世帯4596人。地域を限った部分的な対応を含め、解除の見通しは立っていない。
避難所は福祉避難所を含む12カ所に設けられ、4日午後6時現在で1225人=別掲表参照。親戚宅等への避難者は、4日午前11時現在で2805人を把握。市は、避難対象住民の安否情報について市地域福祉課(℡27・3111)に寄せるよう求めている。
避難指示区域にある綾里、赤崎の両小学校と東朋中は、いずれも7日(金)までの休校が決定。両小学校を対象に臨時休校の間は盛、猪川、越喜来の各小学校と第一、大船渡の両中学校で学習支援などを実施する。学校ごとに教室を準備し、両校の教諭らが指導する。東朋中向けには大船渡中で予定し、4ルートからスクールバスも運行する。
市内の体育施設が消火活動や避難所支援の拠点となり、臨時休校の小中学校が出ている中、市は当面の間、公共スポーツ施設や学校体育施設の貸し出しを休止。三陸公民館やリアスホールも見合わせる。
盛岡地方気象台などによると、本州の南岸を低気圧が北東に進む影響で、5日未明から雪が降り始め、同日は昼すぎから次第に雨に変わり、降水のピークは午後とみられる。6日は次第に冬型の気圧配置となるが、気圧の谷の影響で昼すぎから夕方には雨や雪が降る。7日以降は晴れや曇りの天気が続く見込み。
5日~6日は、大雪・強風・波浪の注意報の発表も。総雨量は50㍉で、降雪量は5日未明から昼前で平野部5㌢、山沿い10㌢。風は5日~6日は海上を中心に東よりの風が強まり、海上は15㍍、陸上は7㍍で、しけになる予想となっている。
ドジャース見舞金1500万円寄付
佐々木投手所属
大船渡市は4日、佐々木朗希投手(23)=陸前高田市出身、大船渡高出=が所属する米大リーグのロサンゼルス・ドジャースが災害見舞金として1500万円を振り込んだことを明らかにした。
入金予定は5日。スタン・カステン社長兼CEOは「火災の破壊力については、我々も南カリフォルニアで何度も経験して痛感しており、心を痛めています。ドジャースは大船渡市を支援し、そして佐々木朗希投手による支援活動をサポートします」としている。
3日には、佐々木投手から災害見舞金1000万円が贈られた。市には同投手から「故郷の皆さんが苦しみ、大好きな風景が変わってしまうことに胸が締め付けられています。自分にできることはわずかですが、少しでも役に立てれば本当にうれしく思います。僕も皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います」とメッセージが寄せられた。
4日現在(ドジャース分除く)の義援金・見舞金の総額は8274万4194円となっている。





