歯科診療所が診療再開 赤崎・綾里大火 当面は休診中の予約優先 心のケアにも注力
令和7年3月13日付 1面
大船渡市の赤崎・綾里大火を受け、避難指示が出た2月26日から休診が続いていた市運営の国保綾里歯科診療所は11日、診療を再開した。当面は休診した期間の予約患者を優先して対応する方針。関係者は健康保持だけでなく、被災者の心のケアにも気を配る。併設する綾里診療所も13日に再開する。
綾里診療所は休診以降、吉浜診療所の診療日を週2日(水曜日・金曜日)から週4日(火~金曜日)に変更するなどして対応。一方、歯科診療所は診療できない状態が続いた。
歯科診療所の患者は半数以上が綾里地区在住者だが、近年は市内の歯科医院閉院に伴い、地区外の患者が増えているという。2月26日は、午後の診察開始直前に避難指示が出た。熊谷優志所長(54)も含め綾里在住のスタッフは、避難生活を余儀なくされた。
全域で避難指示が解除となった今月10日から、スタッフが機器の確認や、避難指示期間中に予約が入っていた患者の調整などにあたった。11日午前の段階では診療所内の被害は確認されず、診療では給水からの水も使うことで、通常通りの診療ができる見込みがついた。
一方で、熊谷所長は「予約がキャンセルになった方の対応など、ある程度通常の形に落ち着くまでは1カ月程度かかるのではないか」とみる。避難生活などを通じて不調を感じている住民らには随時担当するといい、同診療所(℡42・3228)で相談を受け付ける。
避難生活の長期化で口腔内の汚れや日常生活の活動量低下、会話の減少などによる〝負のスパイラル〟が懸念される。高齢者の誤嚥性肺炎などの予防も重要視している。
14年前の東日本大震災直後も、地震被害を乗り越えて救護所を設けるなどして患者に向き合った。熊谷所長も「口の中がすっきりし、食べられるようになることで気持ちも上向く。自宅に戻れた方、戻れない方、さまざまいらっしゃると思うが、少しでも心のケアができれば」と話す。
市によると、綾里診療所は13日から毎週火・木曜日の診療を再開。綾里地区の患者輸送車も同日から運行される。吉浜診療所は通常通り毎週水、金曜日の診療となる。
両診療所に併設している市役所綾里地域振興出張所は、ほぼ通常通りの業務となっている。14日(金)からは、市役所本庁の税務課とともに、罹災証明書の申請を受け付ける。





