2中学校で最後の卒業式(別写真あり)
令和7年3月14日付 7面


大船渡市の大船渡中学校(和賀真樹校長、生徒125人)と末崎中学校(佐々木伸一校長、生徒71人)で13日、最後の卒業式が行われた。両校は本年度で閉校し、来年度に統合して新生「大船渡中学校」となる。統合前最後の3年生として活動してきた卒業生らが、仲間や教職員、家族、地域に感謝を伝えながら、閉校する母校への誇りを胸に、思い描く未来へと一歩を踏み出した。(栗村勇翼、菅野弘大)
感謝と誇り胸に巣立つ 44人がそれぞれの道へ/大船渡中
大船渡中の本年度の卒業生は44人。一人一人名前を呼ばれ、和賀校長から卒業証書を受け取った。
和賀校長は「この3年間、つらく、苦しい時間も中にはあったと察せられる。それでも勇気を持って、努力を重ねてきた経験はこれからも皆さんを助けてくれる。また、ともに過ごし頑張ってきた仲間たちがいることを忘れず、新しいステージでも頑張ってほしい」と式辞。教育委員会告辞と来賓祝辞に続き、生徒会長の佐藤一希さん(2年)が「何事にも全力で取り組む後ろ姿から多くのことを学んだ。先輩方がつないでくれた大中生としての誇りを忘れず、新しい大船渡中学校を盛り上げていく」と送辞を述べた。
卒業生代表の佐藤希咲さんは「大中の歴史を締めくくる卒業生として、立派な姿を示せるか不安になることもあったが、3年生一人一人が考え、行動し、たくさんの素晴らしい思い出を刻むことができた。支えてくれた方々への感謝を忘れず、自分自身の道を進んでいく」と答辞。来年度から生まれ変わる大船渡中学校の発展を後輩たちに託した。
希望の未来へ〝出港〟 26人晴れやかに/末崎中
末崎中では本年度、26人が卒業を迎えた。保護者や教職員、後輩たちが見守る中で名前を呼ばれ、「はい」と大きな声で返事をし、卒業証書を受け取った。
佐々木校長は式辞で「末崎中が最後となる本年度、歴史的な永遠の心に残る活躍、取り組みは、3年生が原動力だった」とたたえ「皆さんはいよいよ出港の時を迎えた。自分の船で夢を目指し、自分の航路に挑む。最高のスタートを切れるようエンジンを合わせ、高校でも全速前進で進んで」と、海のまちらしい例えで激励の言葉を送った。
生徒会長の松岡孜馬さん(2年)は「時に厳しく、時に優しい先輩方から、多くのことを学んだ。皆さんが自分の信じた道を堂々と歩けるよう願っている」と送辞を述べた。
卒業生代表の村上奈央さんは「この学びやに二度と足を踏み入れることがないと思うと切ない。でも、この気持ちは26人の仲間と懸命に中学校生活を送った証し。仲間と自分自身へのエールを胸に、未来への一歩を踏み出す」と答辞。最後に全校で『群青』を合唱し、母校への感謝を込めた歌声を高らかに響かせた。