「生活、なりわいの再生を」 赤崎・綾里大火 達増知事が被災状況視察(別写真あり)
令和7年3月15日付 1面

達増拓也知事は14日、大船渡市で発生した赤崎・綾里大火で被災した赤崎町や三陸町綾里地区を視察した。避難所や火災で焼損した定置漁業用倉庫などを巡って被害状況などを確認し、「生活の再建、なりわいの再生を進めていきたい」と、復旧、復興に向けた早急な対応の必要性を示した。
知事の視察は、9日の鎮圧後初めて。気象条件の影響で当初予定していたヘリコプターによる上空視察を見合わせ、車両から赤崎町外口地域の被害状況を確認したあと、綾里地区に入った。
午前10時30分ごろには、避難所の一つである三陸B&G海洋センターを訪問し、避難者や避難所運営などの状況を把握。応急仮設住宅の建設候補地となっている旧綾里中学校グラウンドにも立ち寄った。
最後は綾里漁港に赴き、火災で焼損した綾里漁協の定置漁業用倉庫を視察。この倉庫は14年前の東日本大震災で被災後、平成26年度末に再建されたもので、今回の火災では鉄骨平屋建ての施設をはじめ、保管していた定置網4セットやフォークリフト1台などが被害を受けた。
知事は県の担当職員から倉庫の説明を受け、「裏から火が入ったようで、(焼損は)残念」「被害そのものもだが、漁が操業できない問題がある」などと話し、今後の影響を懸念した。
視察を終えた知事は報道陣の取材に応じ、「亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被害を受けた方々にお見舞いを申し上げたい」と述べたうえで、「初めて綾里の中心部に入り、被害の様子を見て、林野火災の怖さを改めて感じた。市、県、国、さまざまな団体や全国の皆さんとも連携しながら、生活の再建、なりわいの再生、復旧、復興を進めていきたい」と力を込めた。
漁業などのなりわい再生に向けては、「既存の制度を活用しながら、生活再建となりわいの再生を進めていく方向性は見えてきていると思う。一方で、(東日本大震災との)二重被災や、今回の災害特有の被害の実態もある。そうした実態に寄り添うような工夫をしていきたい」と語った。また、応急仮設住宅の整備(みなしを含む)については、早急に必要な作業を進めていく考えを示した。