大火被災写真の救済協力 三陸アーカイブ減災センター 乾燥や洗浄、震災後の蓄積生かす

▲ 思い出の写真の乾燥や洗浄の依頼を受け付ける秋山代表理事

 陸前高田市の一般社団法人三陸アーカイブ減災センター(秋山真理代表理事)は、大船渡市の山林火災に伴う消火活動で水にぬれた写真やアルバムを預かり、無償で乾燥・洗浄する取り組みを始めた。東日本大震災後から地域住民の「思い出の品」の返却業務を継続する同センターのノウハウを生かした活動で、「私たちにお手伝いできることがあれば」と相談を受け付ける。
 同センターは、大震災津波で流された写真や物品など、市所有の思い出の品を持ち主らに返す自主事業を展開。カメラメーカー大手・富士フイルム㈱(東京都)などの協力を得ながら、被災写真のレスキューに関わる情報も発信している。
 先月26日に発生し、多くの住家被害を引き起こした大船渡の赤崎・綾里大火に対し、「同じ気仙地域での出来事。自分たちにできることを」と情報を収集。各家庭ですすにまみれたり、消火活動に伴い水にぬれた写真、アルバムがあるとみられ、今回の乾燥、洗浄の取り組みを行うこととした。
 秋山代表理事は「水にぬれたり湿った写真をそのまま放っておくと、絵柄がどんどん失われる。そうならないように、早く乾燥させることが重要」と語る。自身で処置を行いたいという人向けには、過去に富士フイルム等と共同制作した、被災写真を救済処置する説明動画(https://rescue-photo.net/)の視聴をすすめている。
 要望があれば、スタッフが現地に向かう。依頼多数の場合、他地域のボランティア団体と連携することもある。
 依頼や相談、問い合わせは電話(47・4848)またはメール(i nfo@sanriku-archive.org)で受け付けている。