朗希、夢のメジャーデビュー MLB開幕第2戦で先発 地元陸前高田ではPVで声援(別写真あり)
令和7年3月21日付 7面

陸前高田市出身で米ロサンゼルス・ドジャースの佐々木朗希投手(23)=大船渡高出=は19日、東京ドームで開かれたMLB開幕第2戦の米シカゴ・カブス戦に先発し、メジャーデビューを果たした。初回から160㌔超の速球を披露するなど力投し、3回56球を投げ3奪三振1失点。同市高田町のアバッセたかたではパブリックビューイング(PV)が行われ、駆けつけた地元応援団が〝気仙の星〟へ熱い声援を送った。(阿部仁志)
ドジャースとカブスが顔を合わせた「MLB東京シリーズ」は、佐々木投手や、本県出身で2年連続本塁打王の大谷翔平選手(ドジャース)ら日本人選手が複数出場する注目のカードとなり、開幕戦はドジャースが勝利を飾った。
佐々木投手は2戦目に先発。試合開始の午後7時10分に合わせて「佐々木朗希選手を応援する会」(伊東孝会長)がPVを実施し、地元の野球スポーツ少年団員やファンら約80人が駆けつけた。
気合に満ちた表情の佐々木投手は初回、初球から3球続けて160㌔を放って先頭打者を左飛に抑え、カブスの2番・鈴木誠也選手からこの日最速162㌔の直球などでメジャー初三振を奪った。後続も飛球に仕留め三者凡退とすると、PV会場は歓喜に沸いた。
2点援護を受けた二回は、制球に苦しみ2四球を出すも無失点。三回は、1死一塁から3者連続四球で失点し、なおも満塁のピンチを招いたが、連続三振を奪い最少失点で切り抜けた。
佐々木投手の降板後、ドジャースは得点を重ねて6─3で勝利した。
持ち味の速球でカブス打線を苦しめた佐々木投手。5四球、被安打1と制球力に課題を残し、初勝利を逃したものの、大舞台での活躍にファンからは惜しみない拍手が送られた。
高田野球スポ少の村上洸二朗主将(5年)は「危ない場面もあったけど、そこから最少失点に抑えてすごいと思った。これからもたくさん三振を奪い、勝利してほしい」と目を輝かせた。
佐々木投手は、高校卒業後にプロ野球・千葉ロッテマリーンズ入り。6年シーズンを終えると、ポスティングシステムで米移籍を目指し、今年1月にドジャースとのマイナー契約合意を発表した。
メジャー昇格に向けては、今月4日(日本時間5日)に米国で行われたレッズとのオープン戦でデビュー。2番手として3回を投げ、5奪三振無失点だった。
さらに11日(日本時間12日)は、ガーディアンズとのオープン戦で4回無失点の好投を披露。日本開幕戦での登板が〝内定〟し、18日にはメジャー契約が正式に発表された。
このほど大船渡市で発生した大規模林野火災を巡り、佐々木投手は災害見舞金1000万円と寝具500セットを同市に支援。海を越えても古里に思いを寄せ続ける佐々木選手の熱投が、ファンに感動を届けた。
佐々木投手が高校時代の時から応援しているという陸前高田市内の70代女性は「気仙の人たちも勇気づけられたと思う。体調管理を一番にしながら、これからも頑張ってほしい」とエールを送っていた。