国内外から義援金・寄付続々 大規模林野火災 受付3週間で総額6億円超 被災者配分や活用の行方にも関心
令和7年3月23日付 1面

大船渡市大規模林野火災に伴い、市が受け付ける災害義援金と同見舞金の総額が約4億円に達した。ふるさと納税と企業版ふるさと納税による災害支援寄付も、合計で2億5000万円を突破。義援金に関しては、委員会を来月立ち上げて配分協議に入るほか、見舞金やふるさと納税は一般財源としての活用を見据える。市は引き続き、義援金や寄付による支援を呼びかける方針。被害が多方面に及び、既存の支援制度だけでは手が届きにくい実態も浮かび上がる中、活用の行方にも関心が高まっている。(佐藤 壮、6面に関連記事)
市がまとめた、19日午前9時時点での義援金、見舞金、ふるさと納税災害支援寄付受け付けの内訳は別表の通り。見舞金は21日も1000万円の寄付が相次ぎ、1億円を超えた。義援金は、日本赤十字社でも受け付けている。
市では、被災者に寄せられた分は「災害義援金」、市の災害復旧・復興事業等へ寄せられた分は「災害見舞金」として対応。1団体・個人でまとまった金額を贈るだけでなく、10円単位での送金など、それぞれができる範囲で善意を寄せている。
義援金と見舞金は火災発生翌日の先月27日に受け付けを始め、ふるさと納税でも対応。今月3日時点では義援金と見舞金の総額は約6500万円、ふるさと納税は約3600万円だったが、そこから約半月で総額5億5000万円以上が集まったことになる。各地で募金活動が展開されており、今後も増加が予想される。
義援金について、市保健福祉部では「義援金配分委員会を新しく組織し、メンバーを固めるのが3月中の事務。4月に入って委員会を開催し、配分案について協議をしたい」との方針。早期に被災者に届けたい意向を示す一方、公平・平等な配分の形を議論する必要性も挙げ、配分時期のめどに関しては、現段階では明らかにしていない。
東日本大震災では、災害義援金のうち、日本赤十字社や中央共同募金会、県災害義援金募集委員会に寄せられた分は、県の配分委員会に基づき対応。市に寄せられた義援金は、市独自の配分委員会で決定した。人的被害や住家被害は国・県配分に上乗せする形で額を定めて随時送金し、未成年者や重度障害者等、事業関係団体への「災害見舞金」も設けた。
一方、見舞金やふるさと納税は、いずれも市の一般財源となる。市企画政策部では「国、県の被災者に対する事業が確定した後に、被災者に対してさらなる加算が必要な部分や、国や県で手立てできない部分で市が必要と認める事業で手立てすることになる」と説明。見舞金、ふるさと納税双方の歳入を合わせた形で施策を練る流れも示す。
ふるさと納税は、企業版を含め各ポータルサイトで災害支援寄付を受け付けている。一般的なふるさと納税とは異なり、返礼品はなく、ほぼ全額が災害支援向けとなる。個人版に関しては、全国26の自治体で代理寄付を受け付けている。
義援金と見舞金の銀行振り込み口座は、岩手銀行大船渡支店・普通2122172で、名義は大船渡市災害義援金(林野火災)。被災者向けの災害義援金の場合は「ギ 申込者名」、災害見舞金の場合は「ミ 申込者名」と記入(入力)するよう求めている。
持参の場合は、市役所本庁1階会計課(平日午前8時30分~午後5時15分)で受け付ける。現金書留で送金する場合の宛先は「〒022・8501岩手県大船渡市盛町字宇津野沢15大船渡市会計課」。
問い合わせは同課(℡27・3111内線132、133)へ。受領書が必要な場合は同課まで。