陸海空で総合的調査 市内外の消防関係者 大規模林野火災 鎮火に向け400人体制で(別写真あり)
令和7年3月25日付 1面

大船渡市大規模林野火災の鎮火に向けて23日、市内外の消防関係者が現場の総合的調査活動を行った。地上、海上、空中から、残った火種などがないかを約400人体制で調査。火種の完全な消火を目指し、地道な作業が行われた。
19日に緊急消防援助隊が引き揚げたあとも、林野火災の現場では県内消防応援隊と大船渡地区消防組合が警戒態勢を継続し、約80人体制で地上から焼損箇所の確認を行ってきた。同消防組合によると、現時点で立ち入れていない箇所はないとしており、23日の活動は現場を改めて全体的に調査する目的で実施した。
同日は、三陸町綾里の三陸B&G海洋センターに指揮本部を設置したほか、野野前漁港と赤崎町のフレアイランド尾崎岬にも指揮所を置いた。
地上部隊として県内消防応援隊、大船渡地区消防組合、市消防団が参集。このほか、県警察本部の警備船が海上から、仙台市消防局ヘリが上空から、それぞれ偵察活動を実施した。
活動にあたり、大船渡消防署の荻野渉副署長は「きょうは風が強く、火種が再燃する可能性もある。このところ熱源は確認されていないが、ヘリからは確認できなかった熱源が目視で判明することもある。県内の応援隊や消防団の協力も得ながら、大々的なローラー作戦を行う」と話した。
地上部隊は全28班に分かれ、各地で活動を開始。熱源探査機やジェットシューター(噴霧器)などを装備して、割り当てられた現場に向かった。
このうち、大船渡地区消防組合や末崎町の消防団員で構成する班は、綾里の八ケ森トンネル付近から山林に入った。現場は、火災によってもろくなった地面や露出した木の根などがあり、足元に注意を払いながら斜面を登っていった。
隊員らは、スコップなどで地面を掘り起こしたり、木の根を探るなどして、火の気がないかを確認。立ち並ぶ焼け焦げた木を一つ一つ調べるという地道な作業が続いた。
同日は2カ所で白煙が確認されたものの、同日中に消火処理を済ませた。調査活動は、24日も約60人体制で行われた。
荻野副署長は「現場は数日前まで、木の根がくすぶっていたり、煙が残っているような状況だった。間違いなく鎮火に向けて進んではいるが、鎮火宣言の判断については市とともに慎重に協議する」と話す。25日以降も同様の活動を行うかは、今回の活動状況を見て判断する考え。