仮設住宅の入居受付開始 大規模林野火災 市・県の公営住宅申請も

▲ 仮設住宅の建設が進められている旧綾里中グラウンド

 大船渡市は27日、大規模林野火災の被災者を対象とした公営住宅と建設型応急仮設住宅の入居申請受け付けを始めた。申請期間は公営住宅は4月8日(火)まで、建設型仮設住宅は同30日(水)まで。公営住宅では、特定の部屋・団地で希望者が重なり、抽選で漏れた場合でも、2次募集や仮設住宅に入居できるよう調整する方針。公営住宅は4月中旬、仮設住宅は5月上旬からの入居開始を見据える。(佐藤 壮)

 

 申請で必要な書類は、いずれも被災世帯に届けている申込書と罹災証明書(コピーでも可)。避難所となっている立根町の県立福祉の里センター、三陸町綾里の綾姫ホールに設置している回収ボックスに入れるか、市役所3階の住宅管理課に持参する。
 入居申込書には、希望する住居名や入居者を記入。高齢者のみの世帯やペット飼育など、個別の事情を明示する欄もある。
 市は今月21日まで、被災者を対象に住まいの意向調査を実施。公営住宅では、団地によって空き戸数よりも希望世帯が上回るケースがあった。こうした状況を踏まえ、市は仮設住宅よりも早い8日までの申し込みとし、その後に抽選や2次募集を計画。仮設住宅は30日までで、公営住宅希望から変更して申し込む場合にも対応できる形とした。
 公営住宅のうち、県営住宅は市内の盛、大船渡、猪川、立根各町に加え、陸前高田、釜石、一関、奥州の各市で入居可能。このほか、住田町や山田町、宮城県気仙沼市などからも提供の申し出があった。市営住宅は赤崎町や猪川町、三陸町では綾里、越喜来の各アパート、団地で対応する。
 いずれも一時的に貸すもので、入居期間内の家賃や駐車場料金は無償となり、共益費や公共料金などは入居者が負担する。一住戸に対して入居希望世帯が複数ある場合は、高齢者のみの世帯や介護の必要性、障害者がいる世帯、多子(3人以上)などを第一優先とする。供用期間は原則2年で、その後に家賃を負担しての継続入居も可能。
 建設型の応急仮設住宅は、地域コミュニティーを維持した生活にも配慮し、旧蛸ノ浦小グラウンドに10戸、旧綾里中グラウンドに30戸を想定しているが、意向調査では各戸数で間に合う見通しがついている。いずれも間取りは、2Kと3Kタイプの2種類を設ける。入居から2年後には撤去に伴い退去となる。
 申請締め切り後に、コミュニティーや入居者の希望をふまえながら部屋割りなどを決める方針。県の補正予算では、みなし仮設、災害公営住宅、仮設住宅のいずれにも家電製品を支援する財源が盛り込まれた。
 三浦寛基住宅管理課長は「どの仮設住宅でも、一日も早く入居できるように手続きを進める」と話す。
 市は現在、賃貸型応急住宅(みなし仮設)の申請も受付中。住宅の間取りごとに家族数や、県が借り上げる月額賃料の上限額がある。礼金・敷金は自己負担。すでに、大船渡市の被災区域以外や釜石市のアパートや一戸建てなど、150軒超をリストアップしている。市住宅管理課や不動産業者に相談するよう呼びかけている。
 入居予定時期に関しては、民間賃貸住宅が4月上旬ごろ。公営住宅は同中旬ごろ、建設型は5月上旬ごろの見通し。問い合わせは同課(℡27・3111内線327、328)へ。