全国トップ切り入学式 綾里小 火災の影響残る中 新入生8人、和装で晴れやか(別写真あり)

▲ 華やかな和装で入学式に臨んだ児童とその保護者ら

 令和7年度が始まった1日、大船渡市三陸町の綾里小学校(冨澤広子校長、児童65人)で、全国のトップを切って入学式が行われた。周囲ではいまだ大規模林野火災の影響が残る中、鮮やかな羽織やはかまに身を包んだ新入生8人は、これから始まる学校生活を楽しみにしながら、笑顔で式に臨んでいた。(齊藤 拓)

 

 明治6年創立の同校は、明治時代からほぼ毎年、4月1日に入学式を挙行している。昭和40年代後半から、はかま姿で出席する女子児童が増え始めると、男子児童にも波及していった。平成22年には全員が和服姿で式に出席するなど、同校の新年度の風物詩となっている。
 本年度の新入生は、男子5人、女子3人。式では、凛々しい黒や青の羽織を着た男子児童と、華やかな黄色や桃色のはかまで着飾った女子児童が笑顔で入場し、保護者や在校生が拍手で迎えた。
 担任の神田麻未教諭から一人一人名前を呼ばれた新入生は、元気よく「はい」と返事をして、冨澤校長から入学許可を受けた。
 式辞では、冨澤校長が新入生に〝あいさつと返事〟と〝自分の命を守る〟の「二つの約束」を守ることを伝えた。「あいさつと返事ができると、たくさん友達が話しかけてくれる。交通事故に気を付け、けがや病気に負けないよう好き嫌いを少しずつ減らしながら、丈夫な体をつくりましょう」と呼びかけた。
 市教委の告辞と来賓の祝辞に続き、在校生代表の千琴子児童会長(6年)が「綾里小は、いつでも元気なあいさつが響き渡る学校。これからさらに元気なあいさつがあふれる綾里小になるよう、みんなで力を合わせてがんばり、楽しい思い出をたくさんつくりましょう」と、歓迎の言葉を述べた。
 冨澤校長や来賓からの「ご入学おめでとうごさいます」の言葉に、「ありがとうございます」と答えた児童ら。祝辞のほか、祝電披露時にも元気に返事をして、冨澤校長との約束をさっそく守っていた。
 大規模林野火災の鎮火に向けた活動が続く中、綾里では式後に小雨が降りだした。肌寒い中で、初日の学校生活を終えた新入生は、家族と校門で記念撮影を行うなどして、晴れやかな笑顔を見せた。
 新入生の千田陽真里さんは「縄跳びが得意だから、体育を頑張りたい。運動会が一番楽しみ」と、これからの授業や行事を心待ちにしていた。
 同校は8日(火)に1学期の始業式を予定。同校以外の気仙の小学校では、7(月)、8日の両日にかけて入学式が行われる。