名古屋市からの職員派遣 本年度で受け入れ終了 延べ262人が復興応援(別写真あり)

▲ 防災課に赴任し、担当職員から業務の説明を受ける黒田さん㊥

 東日本大震災からの復旧・復興のため、陸前高田市が受け入れてきた名古屋市からの職員派遣が本年度で終了する。名古屋市は14年前の津波で被災し、行政機能が一時まひした陸前高田市の行政全般を「丸ごと支援」する全国初の取り組みを展開。職員派遣は本年度の1人を含めて延べ262人に上り、復興の大きな力となった。人的支援は国の第2期復興・創生期間最終年の本年度で一区切りを迎え、両市は「支援」から「交流」に軸足を移し、関わり合う見通しだ。(高橋 信)


 本年度、名古屋市を含む全国の6自治体・団体から1人ずつの計6人を受け入れる陸前高田市。2日、市役所で受け入れ式があり、名古屋市から新たに送り出された黒田輝さん(29)が代表で辞令書を受け取り、「派遣を大変光栄に思う。微力ながらまちの力になりたい」と決意を表明した。
 佐々木拓市長は「当市の復興を支えていただいた派遣職員の皆さんは、われわれの宝物だ。切磋琢磨しながら一緒に働いていきたい」と激励した。
 黒田さんの配属先は、防災課。派遣の〝アンカー〟を任され、「プレッシャーもあるが、他自治体への派遣自体が初めてで、こんな貴重な経験はない。一生懸命頑張る」と意欲をにじませる。
 名古屋市では昨年度まで4年間、防災危機管理局に所属しており、「南海トラフ巨大地震の発生が懸念されている。陸前高田の防災施策に貢献するとともに、業務を通じて防災・減災のまちづくりを学び、帰任後に還元したい」と見据える。
 名古屋市は発災1カ月後の平成23年4月、多くの職員が津波で犠牲となり、市庁舎も全壊する被害を受けた陸前高田市への全面支援を決定。同年度は延べ144人を派遣し、24年度以降は年間1~16人が応援に当たった。
 双方の市教委は同年に絆協定を、両市は26年に友好都市協定を締結。夏は名古屋市の中学生が、冬は陸前高田市の中学生が相手のまちを訪問する絆交流事業は毎年実施されており、防災や芸術・文化、産業分野などにおける市民交流も展開されている。
 市総務部の千葉恭一部長は「職員派遣は延べ260人を超え、復旧・復興の大きな力となり、大変感謝している。支援を受けるばかりではなく、今後は交流をメインにできればいい。来年度からは当市から名古屋市に職員を派遣する人事交流も実施していきたい」と話す。