農福連携の新たな拠点に 就労継続支援B型「朝日のあたるファーム」開所

▲ 作業場となる倉庫の前で事業所開所を喜ぶスタッフと利用者ら

 陸前高田市の一般財団法人みらい創造財団朝日のあたる家(新田國夫代表理事)は1日、米崎町の空き施設を活用し、農業に特化した就労継続支援B型事業所「朝日のあたるファーム」(古藤瑠那所長)を開所した。「農福連携」で利用者の社会参加を後押しし、地元産業発展の中間支援を担う新たな拠点として、地域への定着を図る。(阿部仁志)

 

 同法人は、地域産業と福祉のマッチングを図る「産福連携」事業を令和5年から本格化。地域のニーズ把握と情報発信に努めつつ、農業、椿茶、縫製などの各分野で連携の輪を広げ、コーディネートした福祉事業所の受託額増や、産業の人手不足解消などで実績を積んでいる。
 特に力を入れている農業分野の農福連携では、市内農家とともに立ち上げた団体「タカタアグリコンソーシアム」(TAC)と相互協力し、障害者や一般就労が困難な人たちのスムーズな社会参加にかかる課題と解決策を模索、共有。この中で新たな生産活動の可能性が広がり、かねて計画していた新事業所の開所に結びついた。
 事業所名の「ファーム(FARM)」には、「フォスタリング(人を耕す)」「アグリカルチャー(農を耕す)」「リージョナル(地域を耕す)」「モビリゼーション(未来を耕す)」という意味が込められている。
 主な生産活動は▽農作物の育成、選別、収穫の手伝い▽草刈り▽伐採した竹や剪定枝の粉砕▽たい肥作りと提供──など。職員7人が就き、全国や県平均以上の工賃実現を見据えながら、「地域産業を支えたい」「自立した生活を送りたい」という利用者らの生きがい、働きがいをサポートする。
 事業所は、元石材店の空き施設を活用。床面積1000平方㍍ほどある鉄骨造の倉庫を借り、作物の収集と出荷、選別作業を行う。農作物の鮮度を維持できる大型冷蔵庫を備え、リンゴやピーマン等の保管に使用してTAC農家らの生産性向上にもつなげる。
 利用者は定員20人で、5人でのスタート。当面は倉庫近隣にある同財団の拠点・朝日のあたる家を事務所とし、今月いっぱいは生産活動と並行しながら、本格稼働に向けた準備が続く見込み。徐々に利用者を増やし、年内には15人ほどの登録を見据える。
 県内では類を見ない、農業の中間支援に特化したB型事業所。これまでコーディネートで気仙各地を奔走し、農業と福祉双方の〝生の声〟を間近に聞いてきた朝日のあたる家事業統括責任者の鈴木拓さん(41)は「働きたい人たちの選択肢を増やしたい。気仙の各B型事業所に特色があり、そこと被らない、かつ需要のある部分で地域に貢献できる事業所にする。新たなモデルケースにもしていきたい」と語る。
 古藤所長(44)は「スタッフと利用者、関係者みんなで力を合わせ、チーム一丸となって頑張りたい」と意気込んでいる。
 問い合わせは朝日のあたる家(℡47・4750)へ。